福島県立大野病院事件第二回公判
午後2時再開。
M医師は細身で黒のスーツ姿。すっとした頬、横分けのサラサラ髪は、いかにも今時の良家の子弟といった感じ。少し甲高い声で宣誓書を読み上げ、証言台の前の椅子に腰掛けると、両膝の上に手をきちんと置き背筋を伸ばした。質問を聴く時も答える時も、とにかくよく頷く。
M医師は、問題となった手術で加藤医師の助手(前立ち)を務めた。現場で一体何が起きていたのか克明に説明できる1人ということになる。
ただし
検察 外科医ですね?
M医師 はい。
検察 医師の資格を取得したのはいつですか?
M医師 (俯いてしばし考えた後)えーと、今5年目ですから、、、
検察 平成14年でしょうか。
M医師 はい。
事件当時は、まだ2年目。
検察 帝王切開の助手には何例入ったことがありましたか?
M医師 10例ほどでした。
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検察 癒着胎盤とはどういうもので、どういう危険があって、どういう処置が必要か、という知識はありましたか?
M医師 ありませんでした。
というやりとりもあって、加藤医師の処置が専門的に見て妥当なのか、M医師が述べることはできないと思われる。検察はM医師の証言で何を印象づけようとしたのか。
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