福島県立大野病院事件第二回公判
開廷。
この日行われたのは検察側証人2人への尋問。午前に呼ばれたのは、大野病院に近接してやはり地域医療を支えている双葉厚生病院産婦人科のK医師。午後は、元大野病院外科のM医師。
検察側証人なので、2人の証言は加藤医師の有罪立証につながる、と検察が判断したことになる。描いた有罪ストーリーのどのピースになるのか。
結論から先に言えば、ほとんどピースにならなかった。むしろストーリーが「都合の良い言葉のツギハギ」に過ぎないことを、いきなり露呈してしまった。順を追って説明していく。
出廷したK医師は180cm近い上背と肩幅の広さが熊を思わせる。コーデュロイの灰色ズボンにコーデュロイの黄土色ジャケット。後ろから見ると、左の肩が上がって全体的に少し右へ傾いている。メガネのツルの乗った耳が紅潮している。やはり緊張しているのだろう。裁判長に促されて証言台前のイスに腰掛けた。証言台に乗せた両腕に力が入っている。声は低く力強い。
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