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福島県立大野病院事件第二回公判

 M医師が緊張の解けないうちに自らキーワードを発してしまったため、いきなり質問が核心に迫っている。だが、上記の証言では、加藤医師が癒着胎盤を予見していたとは言えない。手術時に尋問が移って

  検察 切開創から子宮の表面が見えましたか。
  M医師 はい。
  検察 どんなものが見えましたか
  M医師 一部に静脈の走行が見えました。
  検察 どれくらいですか。
  M医師 男の人の手の甲くらいのイメージで。
  検察 本数は?
  M医師 1、2本というのではなく...数本。
  検察 子宮の表面全体ですか。
  M医師 一部です。
  検察 子宮のどの辺りに?
  M医師 患者さんの右側だったような気がします。
  検察 色は?
  M医師 青紫色です。
  検察 肉眼ではっきり分かったということですね?
  M医師 はい。走行はハッキリ確認できました。
  検察 帝王切開の助手は何例入ったことがありましたか?
  M医師 10例ほどでした。
  検察 その経験の中で、そういう血管の走行を見たことがありますか?
  M医師 僕の記憶では、あまりなかったかなと思います。

 依然として検察は「子宮切開前に異常を予見できたはず」というストーリーをあきらめていないようだ。尋問はいよいよ胎盤剥離の段階に入る。

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