医療事故調検討会3
「議論が入口に終始している。結果説明は第三者組織がやるべきか、そうではないのか」
飯田氏
「調査委員会がやっちゃいけないわけではない。ただし説明義務を負うことになると、病院側が丸投げして第三者的になりかねない」
深山氏
「専門家と一般の方との知識は思った以上に食い違う。用語の使い方や意味を解説する立場の人は必要だろう。そして、それがその後の裁判外紛争処理に活用され、双方納得を得られるような形になればと思うが」
辻本委員(COML理事長)
「患者側がもっと医療の限界性、不確実性を引き受けなければならないと思うが、その前に患者・国民は病理医、法医学者の存在を知らない。だから目の前に出てきても病院側の人で、医療者を守るための人間ではないのかという疑問を持ってしまう。医療アドバイザーを置くというが、モデル事業では調整看護師が遺族対応で疲弊し切っている。どうか国民の前に逃げずに出てきていただきたい」
深山氏
「重く受け止めている。学会でも病理医による説明を推進しているところだ」
中園氏
「鑑定書をフィードバックするよう活動していこうと考えている」
福永氏
「私も直接説明するよう心がけているし、監察医制度の場合は、情報公開請求すれば親族に限って鑑定書を見ることができるので活用してほしい」
この辺りのやりとりも大事だったの思うのだが、前田座長がやはり強引に取りまとめる。
「時間を過ぎてしまったが非常に有意義な議論ができた。届け出を義務化する。刑事がしっかり噛む。振り分けは医療が行う、というところまではまとまったので、ここからは警察への通報のタイミングなど突っ込んで組織に肉付けしていければと思う」
と、盛りだくさんの議論と取ってつけたような結論とを得て検討会は終わった。
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