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ニュース〜医療の今がわかる

医療事故調検討会3

 ここで木下委員(日本医師会常任理事)が発言する。頭から湯気が出ているのでないかと思った。
「飯田参考人から日本医師会の名前が出たので言うが、我々は医師だけを免責せよと申しているわけではない。明らかに刑事事件で裁かれるべきものの免責も言うつもりはない。司法がしかるべき判断をするのは大前提だけれど、しかし真剣に真面目にやっている連中でも思いもよらないことで訴追されかねない状況がある。警察へ届け出られても起訴されている例が少ないのは配慮いただいているのだなと思うけれど、捜査が入っただけでも医療現場は混乱する。第三者機関が届け出るのは警察ではなく厚生労働省にならないか。運用で何とかなるというのなら、医療関連死は医師法21条の異状死に含めないと変えてはいけないのか。それだって本来の趣旨は変わらないではないか」


 木下委員の頭の中では、警察・検察は、よほどトンデモない存在なのだろう。だからといって、言うに事欠いて厚労省へ届けたいとは。。。

 飯田氏
「どちらが先かは鶏と卵の関係だが、医師会の提案になると、ひどい例については刑事の対象になるとは読み込めない」

 木下委員
「届けるところを警察でないところにしてほしい」

 飯田氏
「すでに医師法21条は存在するのだから、まず受け皿を作るべき。受け皿も作らずに医師法21条から医療関連死を除いたら国民の反発がある」

 前田座長が取りなすように割り込む。
「私も法律屋だから飯田参考人の言うことは分かるが、しかし大野病院の事件のこともあって、医療界に心配が高まっているというのは事実だと思う。21条変更ありきではないにしても、刑事訴追するかどうかについては医療側の判断を尊重する、そういうことは必要でないか。そのためにはガイドラインを厚生労働省が頑張って作らないと」

 気だるそうだった事務方の1人がビクっと背筋を伸ばし目を剥いた。

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