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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議4

土屋
「家庭医の安易な増員には反対と仰ったが、家庭医と言った場合に実は皆さんの描くものがバラバラだ。果して何を基準に合わせるか。小川先生の『理想の地域の医師像』、これは日本の土壌を考えると家庭医と呼んでいいのでないか。米国の専門性に欠けたファミリープラクティスとは違うと解釈したい」

阪井
「二点伺いたい。臨床研修の影の部分を強調されて、たしかに地域医療崩壊の大きな原因なんだろう。しかし果たして以前の状況、大学の専門科に入っている医師が交替で僻地を支えるというのは、医師にとっても地域の患者にとっても良かったのか。お互いにあまりハッピーな状況でなかったような気もする。それを臨床研修が顕在化してくれたとも言えるのでは」

小川
「少なくとも医師数からすると、全国李学部長病院長会議のデータからすると、以前は大学に70%くらい残ってたのが人口50万人未満の都市しかない県については30%まで下がっている。その人達がすぐに地域医療のお手伝いをできるわけではないけれど、その人たちが大学に入った分、専門医を取ったばかりぐらいのがグルグル回っている。ドクターバンクというお笑いのような話があるが、岩手の地域医療支援委員会は大学にあって私が委員長だ。でも、誰を出せばいいかというのは私には分からない。医局がクオリティコントロールをやっている。1人で地域を任せても大丈夫かというようなこと。それから人間の世の中だからA君とB君を一緒にすると取っ組み合いの喧嘩になりかねないからできないとかいうような。専門医取ったばかりだから地域へ行きなさい、その代わり3年後で子供さんが高校生になる時には都会に戻すからというような。それが今全くなくなっちゃった。地方において絶対的な医師の不足は見えている。臨床研修で1万5千人の医師が消えちゃったんだから」

阪井
「クオリティコントロールが大事だということ、数が足りないということは全く異論ないのだが、そうではなくて消化器内科をやっていた人がいきなり呼吸器や子供も診るようなことでいいのか、ということ」

小川
「それはそれでいいんじゃないか。自分自身は専門性あるが、糖尿病も高齢者の肺炎も診られますよというのが理想で、将来開業するんだとしたら、そんな全員が大学に残って教授になるわけじゃないから、おじいちゃんも診るようになるんであって。その時のトレーニングが効いてきてというのが現実的な話だ」

阪井
「つまり、それは地域へ行くのがトレーニングということになる。地域へ行く前にトレーニングしないでいいのか」


小川
「医学部が6年一貫教育になって、ドラスティックに大学が変わってきている。昔は臓器別で講座ができていたけれど今は内科一般になっていて、内科医である限り大体のことは診られるようにしようと、学生の時からそうしている」

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