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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議4

小川
「理想の地域の医師と家庭医というのが実態としてイコールであるならば、それで構わない。ただ単にインカムの問題で専門性が必要と考えるならば、アメリカのファミリープラクティスはそれではない。それを指して育てようとしているのなら、国民の要求と乖離しているのじゃないかと思う。ぜひ定義を明らかにしてご議論いただきたい。日本医師会、プライマリケア学会、定義が全部違う。定義してから進めないと混乱する」

有賀
「大学院大学のタテ割について。昭和大でも4月から一緒くたの大講座制にして、救急も生き死にかかわらない程度の分はその大講座の中に入れてしまった。その中でグルグル回れば相当幅広く診られるような仕組みはつくりつつある。医学部長病院長会議として、内科学の体系は全体としてそのような方向性にあるのだろうか。もしそれでうまくいくなら医学部の途中で国家試験を入れて、そのまま臨床研修のようなこともできると思うのだが」

嘉山
「大学によって温度差がある。山形大では私が学部長になってすぐ内科を分けるのをやめた。そもそも自然現象を勝手に人間が区分けしているだけだから。治療は専門でできなくてもよい。診断、どういう治療が必要かさえ判定できれば用は足りる。わりばし事件も、プライマリーケアとしては満点だった。しかし今何が必要かということの想像力が足りなかったから問題になった。医療界だけじゃなくてマスメディアも会社も全部、人間力がないので自分の知っていることしかできないのが問題だ」

有賀
「全体としてモディファイされる?」

嘉山
「検討会で福田先生にまた元に戻っちゃったんじゃないかと言った位、大学の授業がアドバンスドコースになっていてコアを教えていない。山田さん(?)あるいはハリソンの診断学のようなものをきちんとやってない」

有賀
「全国のたくさんの大学の内科の先生たちが必ずしもそういう方向じゃないとすると、やはり専門医として何とかするしかないのだろうか」

嘉山
「いくら言っても、各大学の学部長が2年とか4年で代わっちゃって、いくら意識統一しても元の木阿弥になっちゃう。そうは言っても10年前に比べれば大学も変わってきている」

土屋
「2つだけ。地域の理想の医師像に専門性が入っているが、大都会で開業する時にはインセンティブになると思うが、1人診療所では専門性の発揮しようがないということ。大学へ戻るキャリアパスはあるのだろうか」

小川
「開業する時には皆結構な歳。専門大得意ですよ、この分野なら盛岡まで行く必要ありませんよというのと、専門医に回して診てもらってから帰してもらってというのとが判断できればいいだけ。都会も田舎も変わらない」

土屋
「研究する心が大事というのはその通りだと思う。では、大元の大学院で、文部科学省のがん専門プロフッショナルのような職業人を育成するという時に授業料を取るというのはいかがなものか、むしろレジデントのように給料を払いながら養成するべきなんじゃないか。大学院どういう使い方があるだろうか」

嘉山
「あれはものの見事にやられた。がんプロは一番もらったところで9700万円、これが3大学、少ないところは12大学で5000万円だった。あれでどうやって教育しろというのか。とんでもないプログラムだった。日本の大学院の一番の欠点は片手間ということだ。ウチは講義も試験もやる。学者としての専門家を育てるということを考えたら当然必要だ」

小川
「先生のおっしゃったことは重要。個人的見解だが、単に学位をあげるという場なんじゃなくて、色々な意味での生涯学習の場になるんじゃないか。それができるかどうかは、高等教育費が少なすぎる現状では具現化するのが難しい。医療費と教育費の抑制を改善しないと難しい」

土屋
「あっという間に時間が過ぎてしまった。お互いに消化不良だろう。大変お手間だが再度お越しいただければと思う」

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