後期研修班会議4
「先生のところは内科の実習をしている?」
小川
「させている。卒前から」
土屋
「患者を扱えるようになる?」
小川
「扱えるようにはならない。というのがクリニカルクラークシップがかけ声ばかりで、どんどん後退している。CBTを国家試験化して実習の資格を与えてほしい。先生方は学生のころにだいぶ実習をしたと思うのだが、今は国民がなかなかそれを許さない時代になっている。資格持った学生でないとクリニカルクラークシップができない」
土屋
「それが認められてない現状では、卒前の実習は?」
小川
「やろうとしているけれど、どうしても知識偏重になる」
土屋
「そんな状態の人を一人診療所には出せないだろう。出せるようになるには、体系的なトレーニングを作らないと国民が安心して身を委ねてくれない。今現在の状況だと卒後でないとトレーニング組めないのだから」
嘉山
「小川先生は、今まさに崩壊寸前の岩手を何とか支えるという視点でずっと発言されている。この班では、今後医師の数が増えた時にどうするのかをメインに検討しているので、若干ズレがある。我々だって卒後研修すべてを否定するわけじゃない。ただし、あの程度のことなら、外科へ直接入局していてもプライマリケアは習ったものだ。だからさっきから何度も同じことを言っているが内科が問題。大学院大学で臓器別になっちゃった。昔は内科でも全部診られた。だから医療安全の面からもよかった。外科であれば全部診て糖尿病のコントロールまでトレーニングを受けた。現在の医師が足りないところでの専門医の話とOECDに追い付いた時に質をどう担保するのかということと、小川先生はできる医師のことを話していて、土屋先生はできない医師でも質を保証するという話をしている。この班会議からポンと出すと色々な影響が出るので危険ですよということを小川先生は言っている。班長はドラスティックな改革を考えているんだろうが、そのためにはソフトも必要。インカム変わらない中で質を担保するには、無駄なようでも大勢入れて少数精鋭にセレクトしていく過程が必要。米国では最初からセレクトされている」
土屋
「学術会議と学部長会議の欠点は脳外科が強すぎることだ(笑)。たとえがすぐに脳外科の話になる。引っかかるのは外科なら大丈夫だということだが、本当かしらと思う。コモンな内科疾患であれば、一般診療で1人でも大学病院と同じようにコントロールできるのでなければ価値がない。外科医を地域へ送るにしても的確にトレーニングをオンザジョブでやる必要があるんでないか」
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