後期研修班会議7
土屋
「私が臨床実習を受けた時は、臨床解剖とか臨床生理とか言って基礎と臨床の先生がペアで教えてくれたが、今はそういうことしているのか」
森田
「そこまで詳しく知らない」
尾崎(東大5年)
「今もどちらかというと見学主体。僕らとしては思考法、どういう風に考えたらよいのかを知りたいし学びたい。魚そのものより魚の釣りかたを知りたい」
土屋
「学生4、5人が1人の教官につく?」
尾崎
「そう。学生がローテートして」
土屋
「村重先生、アメリカでは学生が1人患者を与えられて、それをレジデントがチェックするようになってないか」
村重(会場)
「アメリカでは医学生の立場で患者さんを1人渡せる。学生は他にも授業とかいっぱいやることがあるので一日中患者さんと一緒にいるわけにいかないが、しかし当直の時も何十人か入院を取る中の1人は取ってもらってヒストリーテイキングから鑑別診断からサマリーやカルテを書くところまでやらせる。全体も1年目2年目の研修医チームが責任を持っている。私の経験では」
土屋
「新臨床研修では研修医は、そういう風に責任を持っているのか、それともサブなのか」
松村(会場)
「指導医として見てきたことを言う。5、6人が2ヵ月に1度回ってくる。最初の1ヵ月は病棟の仕組みを教えるのに精一杯。その後もあまり余裕はないので結局お客さんで見学になってしまう」
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長谷川野人というのは、血液内科の長谷川彌人先生(昭和10年卒)のことだと思います。草創期の慶應を支えた教授のお一人です。
私は慶應を卒業して20年になりますが、私が学生の頃も、土屋先生が言われたようなシステムがありました。内科外来の隅に特別診察室というのがあって、教授からの説明で同意された患者さんを、学生たちが診察して、それを後で教授の前で発表して、質疑応答をしていました。
当時のポリクリは大部分が見学レベルでしたので、とても新鮮で、かつ勉強になったことを覚えています。今でも、診察した患者さんのことを断片的に思い出すことがあります。
>maruna先生
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
発表内容をyoutubeにアップしました。
http://jp.youtube.com/watch?v=gztxbwgyMsE
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
>森田様
お疲れさまでした。
引き続き「怖いもの知らず」な活動を見せてください。
班会議にできるだけ傍聴させていただいていますが、今回は若い人の話だったので、医療従事者でない小生もコメントを。
感慨深かったのは、学生気質というものは我が身をみそなわして今昔変わりないものと思ったことと、やはり大学紛争は東大医学部を何一つ変えることは無かったのだとここでもまた思い知らされたことでした。
海外調査で気がかりな点は、日本の皆保険制度とは全く異なる一般税からの医療費全額公費負担という欧州の国々で、無料提供される医療の技術水準がいかようなものであるかを把握した上での発表であったかどうかです。
どんなに技量の優れた医者であっても、許される医療経済の範囲内でしかその腕の振るい様はないことを、どの程度イメージできているのか、と言う点で年齢相応の社会性がついているのか、不安感がよぎりました。
極論すると医者(勤務医の側)に、社会システムとしての医療の経済・コストへの無知・無関心が今日の医療崩壊の原因の一つと言えなくもありません。こんなにひどくなる前に声を上げることができたはずです。それが許されないような心理的縛りを植え付けるパターナリズム教育を受けてきた所為なのだとの自覚が今日勤務医に無ければ、3,4,5年生という学生さんにそれを理解せよというのは無理なことですが。
あの発表を聞いていて、将来こんな医者になりたいんだだからこんな勉強をしたいそれを可能とする教育仮キュラムとしてくれという漠たるイメージの、そのまたかけらでも感じることができればなと思います。
まあ無理かもしれません。そのようなイメージを描ける教育を受けていないという漠たる不安感はお持ちなのでしょうか。
あの学生さん達には、以下の本を是非よんでもらいたいなあと思います。
The Dancing Healers: A Doctor's Journey of Healing with Native Americans by Carl A. Hammerschlag
>日吉和彦様
コメントありがとうございます。
学生さんたちに伝えます。
2009年2月13日発行のMedical Research Information Center (MRIC) メルマガに「背筋が凍った東大医学生の「いい医師とは」のキーワード~明日の臨床研修制度を考えるシンポジウムで感じた2つの違和感」という投稿記事が掲載されました。私は寡聞にして存じ上げないのですが、筆者はIMK高月(株)代表取締役 公認医業経営コンサルタント高月清司 (コウヅキキヨシ)とう方です。
一読して、言葉は激しいのですが、先日私がこのコメント欄で述べた「どんな医者になりたいのかのイメージがはっきりしない」という言葉足らずな言い方を補ってくれているなと思いました。
というのは、私の言い方では、学生さん達はちゃんとイメージを示したではないか、とおっしゃるでしょうからです。
いろいろと壁にぶち当たった成長し、立派な医者になってくださることを祈ってやみません。