「第二波に備えて想定し直しを」 政府側専門家の尾身・岡部両氏 ~参院予算委
[鈴木]
検討開始が時期尚早とは理解できない。やるやらないは別にして、こういう時こそきちっと検討するのが危機管理でないか。
今回、国内感染の発見が遅れた。遅れた原因としてPCR検査の対象を渡航歴にある人に限定する指針が厚労省から出されていた。その背景は何かと5月25日に局長からご答弁いただいたのでは、PCRの検査能力・体制が十分でない、1日1000件位しかできないという話だった。22日に出た新しい指針でも、なお渡航歴のある人優先となっている。しかし、国民はどういう風に感染が広がっているか知りたい。第二波のことを考えて、PCR体制を抜本的に充実させるべき。大学に協力いただくとか民間への外注とか検討したらどうか。
[上田]
PCR検査には特殊な機械が必要で、さらにプライマーやキットが必要。それから熟練した人も必要。全て揃わないとできない。PCR検査そのものは6時間程度かかる。我々も国立感染症研究所からプライマーを供給するなどの援助を行ってきたが、今後はさらに充実させる。ご指摘のように民間でもできること、簡易のA型インフルエンザキットでこういうものが検査できることについても実現できるよう努力していきたい。
[鈴木]
厚生省が、PCRをするかしないかじゃなくて、現場の医師がやるべきと思ったらすぐできる体制をきちんと整えようということで、これはまさに予算の話。きちんと対応していただきたい。
次に相談体制。発熱相談センターは保健所が主力になるだろうが、25日の局長答弁では1日4万件来てパンクしているとのことだった。2000年から見て保健所は減っている。どう考えているのか。
[上田]
発熱相談センターは5月27日現在で47都道府県に719カ所設置されている。9・11テロやSARS発生の経緯も踏まえ、健康の危機管理拠点としての保健所の役割は大きくなっている。保健所の運営にかかわる経費は地方交付税で措置されており、地域ニーズに応じて整備されている。
[鈴木]
何を聞いても局長は大丈夫だと言うけれど、国内感染は広がってしまった。そして相談でパンクしている。そういう事実を基に改善すべきでないかと申し上げている。