「第二波に備えて想定し直しを」 政府側専門家の尾身・岡部両氏 ~参院予算委
[舛添要一厚生労働大臣]
今、自治体と連携を取りながら、また地域の医師会の協力も得ながら、特に神戸の場合は発熱外来でなくて神戸の医師会が物理的にスペースを分けて発熱患者を見てくださる。
たとえば保健所、平穏無事な時には暇かもしれないが、イザという時に間に合わない。検疫官もそう。先ほど木村さんが、相当努力しているつもりだが、現場ではほとんど労働条件が変わっていないということなので、そういうことも含めて今後の大きな課題としたい。
もう一つ。国内感染者の発見が遅れたのは、我々も水際に目が向いていたのがある。と同時に、インフルエンザの定点観測をもっと強化しなきゃいけない。小学校、中学校では学級閉鎖の観測をしていたが、高校については情報が来ない。今回、圧倒的多数が高校だった。これも反省点。文部科学省との連携でやらなければならない。
そういう意味で、様々な反省点があるので、一つ一つ改善して万一第二波が来るようなことがあれば、それまでに対策を立てたい。
[鈴木]
今度は診療。現在、全部で1800床位、プラス結核病床も使って27000ほどあると25日に答弁いただいたので、じゃあ47都道府県ではどういうことになっているのかと2日前に尋ねたら、まだ答えが返ってこない。東京とか大阪とか神戸とか空欄ばっかり。これが今の厚生省の実態把握の実態。厚生省が調べてくれないからうちの学生スタッフに調べてもらった所、結核病床は都心に少ない。たとえば東京は全国平均が10万人あたり6.71床のところ4.66床しかない。それから、これは2003年のSARSをきっかけに整備しないといけないということになったのだが、SARS以来どのように整備してきたか聞いても、その数字は把握していないという。議論すらできない。これが厚労省の実態。
こういった時には公立の病院が極めて重要だが、小泉総理以来の医療改革は未だに変更されていない。837ある公立病院のうち159病院がこれから再編統合される。厚生年金病院10カ所と社会保険病院53カ所は売却される。こういう状況で地域の医療というのは本当にやっていけるのか。
[鳩山邦夫総務大臣]
社会保険病院とかは直接の担当でないので公立病院について申し上げると、たしかに平成15年度は1003病院あったのが19年度には957病院へと減っている。完全になくなってしまったのが11、ベッド数が減って診療所になったものが22、民間へ譲渡されたものが17。感染症については大した知識を持っていないが、いわゆる採算の取りにくい部分、小児とか救急とかはやらなければならないとか、過疎地で他に病院がないとか使命を帯びているので、減ることは望ましくない。基本的には減らない方がいいという意味で、今年は700億円の地方交付税を増額して3600億円。普通交付税が2800億円で800億円は特別交付税。特別交付税の方は、とりわけ不採算で大変というところに援助する形で増額した。公立病院の使命は決して縮小することはない。