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ニュース〜医療の今がわかる

慢性期医療への「質の評価」導入と、足並み揃わぬ中医協


[池上分科会長]
承りました。
 
[武久委員]
まずこれは診療報酬の調査専門組織となっているので診療報酬とリンケージするのは確実と思うのだが、まずその療養病床を削減するということで15万床にすると。それを昨年で22、3万床にして回復期リハは別ということで約30万床。これが始まったころは医療療養に軽症の患者さんも一部いたと思うが、この数年でかなり内容が変わってきたと。それとその急性期病床の平均在院日数の削減傾向が非常に強くなって、平均在院日数が短くなれば退院患者は多くなるが、みんなよくなって家に帰れるわけではない。その後の慢性期医療を必要とする人も該当する。そういうことから考えると、医療療養に入っている患者さんの状態像が4年前に比べるとかなり変わっていると。佐々木先生も調査しているということで了解しているが、現実問題として、療養病床なりの慢性期医療を行う機関をどのぐらいのキャパシティとして考えるかということが診療報酬ではその大前提から大きく影響されると思う。三上委員がおっしゃったよう、関東周辺や大阪などは慢性期病院に入院することはできない。したがって特養や老健にそういう介護療養が必要な患者さんがどんど入っている。現実、私も特養をやっているが、100人の患者のうち50人が経管栄養になっている。悪くなって病院へ送ると胃ろうをつくって帰ってくる。(受け)取れないとなると「あなたのところから紹介したんでしょう」となって、だんだん溜まってくる。結局、看護婦さんを当直させないとできない。特養なのか医療施設なのかというところで、全国的に見て、そういう患者さんをどこで診るかというコンセンサスができていないと非常に困る。三上委員と同じように医療が必要な人は関与度がかなり高い施設で見るべき。
今回は医療療養病床についての、主に診療報酬や患者分類の検討会と思っているが、その辺のところの周辺の環境変化と、24年に向けての大きな介護と医療との保険の同時改定がある。その後の団塊世代の高齢化に対応するような基礎的な検討を今のうちにしておかないと今回は22年度改定だから22年度だけしたらというのではなくて、この調査は池上先生が15年から関わっておられるから、この方向でいくのか方向性を変えるのか、マイナーチェンジで終わるのか、制度全体を俯瞰して検討するのか、という大枠を検討して頂きたいと思います。
 
[池上分科会長]
ありがとうございます、他にご意見ございますでしょうか。
 
[椎名委員]
この分科会が一番最後にいつ開かれたのかと、出がけにうちの事務局に調べてもらったら平成19年6月28日ですね。事務局が説明した最初の報告書、それを議論したのが一番最後。それで2年経っちゃってるわけで、一体あの時私はどんな発言したのかなと厚労省のホームページから議事録を取ってもらったのですけど、そこでこの分科会は一体どんな範囲で何をやるのか、といいうことが平成19年6月の一番最後にやった分科会で議論されている。医療療養病棟に関する診療報酬、値付けも含めてそれを基本問題小委で議論してもらうためにエビデンスある結果を上げるというふうなことで今まできたんですけど、この6月28日で、さきほど三上委員等から出ているような非常にその後変動が出てきたと。そういう中で当初この分科回でどういう範囲の施設を調査するのかと、大いに議論があったわけですけども、私なんかの考えでは、やはり急性期以外の一般病床から医療療養、あと介護に入るが介護療養、特養、老健とスルーでやってみてそれでどうかと。ですけど結局実行の面でいろいろな調査の対象とか記入者負担とかそういったことでなんか最終的に医療療養に絞られちゃった。改めてこの分科会でその色々な療養病床再編とか値付けが実際行われて、2年半経ったと。そういう中で色々な変動が起きている。急性期病院の在院日数はどんどん減っていると。そういう中でこの分科会の対象も含めて、何をやるのか改めてきちんと議論してから分科会を再スタートすべきと思う。
  
[池上分科会長]
ありがとうございました。大塚委員どうぞ。
  
大塚委員(中).jpg[大塚宣夫委員(医療法人社団慶成会青梅慶友病院理事長)]
私も結構長い間この委員会に属させて頂いていますけどずっと流れを見てきたところ、結局はこの分科会での色々な議論というのは、結果としては診療報酬の引き下げと、医療療養病床の削減の二つの方向に合致する部分だけがつまみ食いされるような形で展開されてきたというのが私の偽らざる感想です。もう一つ私が懸念しているのは、医療区分あるいはADL区分によって診療報酬に大きな差が付けられて、特に軽症者の入院が継続できない形で展開されてきた結果として医療療養には重い人だけが残った。かつそこで働く人の数の確保について大きな支障をきたす経営環境になっている。結果として起きているのは、非常に手のかかる人をたくさん抱えて一人ひとりに割り当てられる看護、介護の力を当然以前よりも減らさざるを得ないというこが起きた。質の低下を明らかに来たしているというのが現場の状況ということを踏まえた上で、その先の委員会としての議論をお願いしたい。
 
[池上分科会長]
他は。猪口委員どうぞ。
 
[猪口雄二委員(医療法人財団寿康会病院理事長・院長)]
私も多分この分科会の最初からの委員。すごく記憶に残っているのは前回の改定の時に出た資料で、医療区分やADL区分に分けた事はその後の調査でも「仕事量やコストをうまく反映した」という結果が出ている。ただ一つ反映していないのは、そこに付けられた診療報酬で、そこに我々は関与していないということ。ただこの先、これを進める時にどういう目的でやるのかということが非常に気にかかる。それをはっきりしてくれないと、ただ「見かけ上いい分類つくりました。値踏みは違う話ですよ」ということになると考え方が変わってくるだろうと思う。後、もう一つは介護保険施設と医療療養、特に介護療養は廃止が決まっているから、それを見据えた時に医療療養はどうあるべきかというのは話が変わってくる。介護療養もどのように変わってくるか、転換老健がどういう風に落ち着くかがまだ見えない中で、取り扱う対象の方たちは非常にオーバーラップする。ここをどうするかというか、介護の今後の展開も見据えないと、介護の医療処置、吸引、経管栄養。これらは医療処置が必要なわけで、そういう方が数多くいて耐えられるのかということによっても医療療養の在り方は変わると思う。そこだけ議論しても何となくこの先の大きい何百、何十万の病床数、介護施設のベッド数の機能分化とどのように絡めるかということが見えづらい。やるならそういう大きい議論にするのか、15万22万の議論にするのかは、はっきりさせてほしい。
 
[池上分科会長]
他にご意見は。
  
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