「明細書」の意味を知っていますか?
■ 「入院患者への配布方法や質問を明確に」 ─ 遠藤委員
[遠藤久夫委員(中医協会長、学習院大経済学部教授)]
白石委員が質問した内容と関連してお聞きしたい。入院患者さんに対しては、入院している途中に調査票を渡してそのまま書いて送ってもらうのだろうか?
過去にあったかどうか(明細書の発行を依頼したことがあるかどうか)は、「入院医療」に関して、そのような明細書をもらったことがあるかを聞くのだろうか? (過去に依頼した明細書が)「外来」だったとしても、それは構わないということだろうか?
[小野・保険医療企画調査室長]
(医療機関が)入院患者さんの明細書を作成するのは1か月ごとなので、(入院中ならば毎月の)支払いをする時、(退院した患者の場合は)退院する時など、タイミングを選んで配っていただく。
明細書の(発行を依頼したことがあるかという)過去の経験については......。
(今回の調査は)この調査票を受け取った医療機関で明細書を受け取った患者に対する質問(アンケート)なので、(調査票を)配布した時に受けている医療、病気についての質問と(いう意味で実施)したい。
(質問項目の)記載が不明確な点があれば、それは修正したい。
[庄司部会長]
「今回の入院について」ということを調査票に記載するという意味だろうか?
[小野・保険医療企画調査室長]
そのように工夫したい。
[遠藤久夫委員(中医協会長、学習院大経済学部教授)]
「今回の入院」について明細書の発行を要請したかどうかということ? 申し訳ない。(入院中の患者に調査を依頼する)タイミングがよく分からない。外来患者については分かる。
どのようなイメージで考えたらいいだろうか、入院患者に対する調査は......。
[小野・保険医療企画調査室長]
入院中の患者の場合は、月々の支払いをするタイミング。退院する患者の場合は、退院時の会計の時。
[遠藤久夫委員(中医協会長)]
ごめんなさい、私の理解が不十分なのかもしれない。
入院している患者さんをサンプル((調査対象)に選ぶということ? かつて入院していた患者さんを選ぶのではないわけですよね、直接(調査票を)手渡すのだから。
そうすると、入院している患者さんで、その(入院の原因である)病気ということになると、(明細書の発行を知っている患者は)精算の時に明細書の発行を要求するという行動が発生するのだから、入院期間中は当然、明細書うんぬん(明細書の発行を依頼することができる)ということは分からないはず......。
(しばらく沈黙)
▼ 院内ポスターの掲示や入院案内などで告知していれば知り得るとも考えられる。
[小野・保険医療企画調査室長]
(明細書の発行時期は)現場によっていろいろあると思うが、入院期間が月をまたぐような場合に、月々の締めの支払いの時に明細書を発行する場合もあるだろう。
[遠藤委員(中医協会長)]
比較的長期の患者さんで、入院期間中に精算を行うような人でないと対象にはならないということ?
[小野・保険医療企画調査室長]
入院中の患者さんだけではなく、退院する患者さんも対象にしたい。会計のタイミングで(調査票を)配る場合も含む。(入院患者、退院患者の)両方を考えている。
▼ 「現在入院中の患者」と「退院する患者」のうち、「現在入院中の患者」についてセグメントしていない様子。
[庄司部会長]
そうすると、サンプリングとしてはどういう形になるのだろうか? 外来の場合は朝来院した人から5人、午後に来院した人から5人という順番で配布するとのことだが、入院の方が少し分かりにくい。
[小野・保険医療企画調査室長]
すみません、そこのところ(入院中の患者への配布方法)は、「調査検討委員会」で詰めた議論をしていない。持ち帰って検討した上で、次回の部会で報告したい。
▼ 診療報酬改定などを議論する中央社会保険医療協議会(中医協)では、公益を代表する委員で構成する「診療報酬改定結果検証部会」の下に、同部会の委員や関係学会などで構成する「調査検討委員会」(会長=白石小百合・横浜市立大国際総合科学部教授)を設置し、調査方法を決めたり、調査結果を分析したりしている。
[遠藤委員(中医協会長)]
ありがとうございます。それで結構だと思う。
もう1点、先ほどの回答で、入院患者に対する調査票の配布は、その「疾病」で(明細書を)受領したこと(があるかを尋ねる質問で)、入院だろうと入院外であろうと対象になると受け取った。
そこで、「入院医療」についての明細書に関する行動(明細書の請求の有無など)を調査票で質問しているのか、もう少し明確にしてほしい。よろしくお願いしたい。
▼ 小野室長は「調査票を受け取った医療機関で明細書を受け取った患者に対する質問なので、配布した時に受けている医療、病気についての質問としたい」と回答している。
[小野・保険医療企画調査室長]
そのように対応したい。
[庄司部会長]
ありがとうございます。
[遠藤委員(中医協会長)]
(全体的な)感想を言うと、前回(の調査で)、やたらと明細書の発行比率が高くなったのは明らかに領収書と間違えて回答したと思われる。今回は、(明細書と領収書の質問項目が)明確に分かれているので、前回よりも精度の高い調査が期待できる。
[庄司部会長]
ありがとうございます。では、牛丸委員、どうぞ。
[牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)]
(昨年度の)調査結果を作成するに当たり、自由記載欄に書かれていた回答が非常に有益だったので、今回の調査でも自由記載欄に書いてもらうことを重視していただきたい。
この点、(歯科外来診療環境体制加算の実施、後発医薬品の使用状況)の2調査は自由記載欄が大きいが、明細書の病院調査の回答欄が小さいのでもっと大きくしていただきたい。患者調査欄も大きくしていただきたい。
[小野・保険医療企画調査室長]
その方向で検討したい。