厚労省を質問攻めにする嘉山委員 ─ 11月6日の中医協で
■ 「佐藤君が答えた通り、医療崩壊を招いたのはそこ」 ─ 嘉山委員
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
(嘉山委員が)「教えていただきたい」という対象は、事務局(保険局医療課)ということでしょうか?
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
そうです。まずは、入院基本料の中身ですね。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
入院基本料については、実は今日はまだ、初・再診料だけなので......。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
じゃ、「5分(ルール)」だけでも構いませんよ。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
入院基本料というのが、何に対応されているのか......。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
どういう積算がされているのか。医師の技術料がここに入っているのかどうか。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
積算ということはたぶんしていないと思うのですが、基本的に何に対応しているのか、(入院基本料という)概念的なものをどういうふうに厚労省としては考えているのかと、こういうことだと思います。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
そうです。プリンシプルを教えてほしい。
[保険局医療課・佐藤敏信課長]
まあ、「厚労省」というよりは、診療報酬点数表の中でどういうふうに考えられてきたかということですが、このスライドの1番目の入院基本料の中に、実は1行目に(入院の際に行われる基本的な医学管理と)書いてあるんですが、歴史的には「入院時医学管理料」という項目がありまして、医学管理。これは、医師が無形の形で行う技術的な部分。もちろん、コメディカルもありましょうけれども、管理をする部分。
それから、看護そのものの部分。それから、「療養環境」と書いてありますが、昔は「室料」という形にしておりまして、大きくはこの3つから成っているということです。
従いまして、技術料のかなりの部分もこの中に入っていると思います。また別途、来週以降ご議論いただきますが、検査や処置や手術が典型でしょうけれども、個別に重要な項目については、別途算定されている部分もあると、これが全体です。まず......、そこだけお答えすればよろしいんでしょうか?
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
ですから、まさに佐藤君が答えた通りで、今の医療崩壊を招いたのはそこなんですよ。つまり、医師の技術料があまりにも......、あなたは算定したと言っているけれども、低いために、先ほど(ヒアリングに)来た先生方がおっしゃったように医師が立ち去り型になって崩壊したんです。
ですから、医師の技術料を評価しているとは言っても、実は書けないぐらいに低いということが証明されたと思います。それをこれから、中医協で上げていかなければいけないというのが私の意見です。「中医協は(診療報酬を)決める所だ」と会長はおっしゃった。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
はい、従いまして、入院基本料については別途議論する時がありますので、その時にまたご発言ください。あと、2番目の質問は......。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
地域連携をやっているので、病院と診療所を分けるのではなく医療行為で分けてほしい。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
後者のほうは、ここでの議論をどう展開するかという話になりますので、そういうふうに受け取らせていただきますが......、事務局(保険局医療課)に何か質問することはありますか。
【目次】
P2 → 厚労省を悩ませる「4つの質問」
P3 → 「佐藤君が答えた通り、医療崩壊を招いたのはそこ」 ─ 嘉山委員
P4 → 「DPCをやめるんですね?」 ─ 嘉山委員
P5 → 「私自身も時間で縛るのはいかがかと思います」 ─ 支払側委員
P6 → 無診投薬は、未受診投薬要請」 ─ 安達委員
P7 → 「5分ルールで大混乱」 ─ 嘉山委員