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ニュース〜医療の今がわかる

厚労省を質問攻めにする嘉山委員 ─ 11月6日の中医協で

■ 「無診投薬は、未受診投薬要請」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 まず、白川委員が最初におっしゃいましたが、「同じサービスで(点数)格差があるのは変だね」と。診療をお受けになる方からしたら、そうでしょうね。
 ですから、(医療経済実態調査について)さっきのことを私は確認させていただいたわけでございます。病診の医療における役割のすみ分けという誘導的な意味があって付けた格差なのか、それ以外に格差の理由があるのかということが、まず議論の出発点として必要であると思います。

 ただ、いつもですね、これに限りませんが、「これはどうなっているんですか」と言うと、「これはその点数で考慮しました、入っています、入っています」って、ずっとご説明を受けてきているわけですが、現場で実感......、ないんですよね。

 そういう話をしても堂々巡りになりそうな感じがしておりまして、今回の政権の方針の中で医療費の積み上げをされるんだろうと私は信じておりますので、そうなのであれば、「統一すればいいのではないですか」と私は思います。ただ、1つ条件があるのは、低いほうを高いほうに合わせてください、それだけでございます。
つまり診療所にとっても、これを下げていただくということの論拠はない。つまり、「片方を上げて片方を下げて真ん中で落としましょう」という話ではないだろうということを思っています。それが1つです。

 もう1つ言わせていただきますが、外来管理加算の「5分要件」でございますが、これを療担規則に書いたというのは、私は非常に変な話だと、ずっと感じております。
 つまり、診療のやり方について、療養の担当規則にそこから医師の診療行為についてご指示を受けるというのは、非常に、我々にとって不快な話でもございます。

 それから、「5分間」という話で、一番、(規制)対象にされていたのは、恐らく実際には世に言われる「無診投薬」というものの実態なのではないかと思うのです。
 これはですね、我々から言うと、「無診投薬」というのは非常に辛い言われ方でございます。つまり、我々が「(外来が)混んでいるから、あなた今度は安定しているし、お薬だけでいいよ」なんてことを患者さんに言うことは一切ございません。
 これはすべて、患者さんからの要請で、「忙しくてどうしても来られないけれど、お薬だけください」というのが実態でございますから、臨床現場の。我々から言えば、「未受診投薬要請」ということでございます。その中で、今回のルールの設定で、私が一番変に思っているのは、結果として「無診投薬」にしても、「5分間(ルール)」にしても、(外来管理加算を)算定しない場合と、算定した場合と、この管理料というのは、計画的な医学管理について考えたもの。

 ですから、先ほど白川委員が「何もしていないのに」とおっしゃいましたが、それは我々が、あるいは国全体が患者さん方に説明しないといけないのかも分からないけど、医師が頭の中で一生懸命に考え、計画を立て、そういうことの技術料でございます。

 つまり、診療の結果について、例えば我々が民事裁判上問われるであろう、刑事的な責任も含めて、そこに対する管理料、技術料でございますから。ということは、これを今回の平成20年度の改定で、それ(外来管理加算)を取っていい場合と取っていけない場合を2つ作ったんですよね?

 社会通念として、取っていい場合と取っていけない場合を2つ作るということは、当然、取らなかった場合には責任が軽減されなければならないわけです。技術料の対価ということであれば。
 しかし、そのことについては、一切ここで議論されていない。それが、国家の統制の点数の中でやるわけですから、それを非常に不合理に思っています。

 それから、「無診投薬」については、先ほど申し上げました。「未受診投薬要請」でございます。このほうが、我々から言うとリスクは高いわけです。その結果に対して問われる技術料ですから。ということなのであれば、患者さんのインセンティブを誘導するということも考えれば、むしろ「未受診投薬要請」の点数設定を高くすることで、そういうことをされないようにするということも1つの方法だというふうに考えますし、そのほうが我々の高くなっているリスクに対する保証としても正しいのではないか。

 原理原則的に言えば、外来管理加算の5分間要件については、こういう話だろうと思います。というわけで、結論としては、当然、撤廃していただきたい。これは政権公約にもありますので、撤廃して、しっかり元に戻していただきたい。そう私は考えております。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい。嘉山委員、どうぞ。 


 【目次】
 P2 → 厚労省を悩ませる「4つの質問」
 P3 → 「佐藤君が答えた通り、医療崩壊を招いたのはそこ」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「DPCをやめるんですね?」 ─ 嘉山委員
 P5 → 「私自身も時間で縛るのはいかがかと思います」 ─ 支払側委員
 P6 → 無診投薬は、未受診投薬要請」 ─ 安達委員
 P7 → 「5分ルールで大混乱」 ─ 嘉山委員


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