皮膚科・眼科は診療報酬カット? 事業仕分け1日目(1)
仕分け人
「産科や小児科が足りないのに、この配分はどういうことか。大学の段階で診療科の定員を設けることへの考えは」
外口保険局長
「臨床研修の見直しの時にも同じような意見を言う方がいた。しかし全体としての意見にならなかったのは、医学の世界は日進月歩で複雑に揺れ動いているので、今の時点で固定するより、むしろ研修医制度の中でインセンティブを付けた方がよいという議論だった」
仕分け人
「勤務医の不足の原因はそもそも何だと思っているのか」
厚生労働省
「複合要因。高齢化の進展によって提供する医療の総量が増えたこと。それから患者のビヘイビアの変化もある。救急車の出動回数の伸びは人口の伸びや高齢化率の伸びを上回っている。それから平均在院日数が短縮されて忙しくなっているのもある。それから女医が増えて、それに見合った短い時間で働ける選択肢を整備する必要もある。地域の格差もあるだろう」
仕分け人
「昨年、周産期で受け入れ病院が決まらず亡くなった例は東京都。東京都は全国で一番医師の集積度が高い。医師数が足りないところではない。とするならば、必要とされている診療科の供給量が足りないということなんだから、そちらに誘導するように診療報酬のウエイトをかけていくのが当然でないか。なぜそれができないのか。開業医と勤務医の格差も同じ。なぜ手を打てないのか、打ってこなかったのか。端的に言って値付けの失敗ではないのか」
仕分け人
「今の厚生労働省の説明では要因を4つ挙げながら、極めて重要なポイントを飛ばした。それは意図的か。診療報酬の配分というのはタブーなのか」
外口
「現在まさに議論していることなので言わずもがなというだけのことだ」
仕分け人
「人口100万人あたりのCTスキャンの台数、OECDヘルスデータによると日本は92.6台、OECD平均は20.6台。MRIも日本40.1台で、平均は9.1台。高度医療機器を備えているのは立派だが、それを使うべき医師が足りない。これは明らかに行政の失敗だ。片側で過剰に資源投入して、片側で足りなくなっているのだから」
枝野
「典型的な例ではないが一応仕分けなので、厚生労働省あるいは財務省に対して質問してほしい」
足立信也・厚生労働大臣政務官
「通常の仕分けとは全く違う。事業側の説明は5分しかないのに、財政担当者がその倍の10分間も喋る。それから私を『査定側の委員』と紹介したが、私も議論に加わるつもりだった。コーディネーターの方の仕切りがよくないのでないか。訂正してほしい」