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「55年通知」をめぐる議論を開始 ─ 中医協(7月14日)

■ 「仕組みを提案するレベルまで中医協で」 ─ 遠藤会長
 

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 中医協でやるべきかどうか、私の考え方を申し上げたい。
 基本的には、基準をつくるということはできないと思う。しかし、あくまでも保険に収載するかしないかという、極めて微妙な議論をしている。これは、「中医協マター」であると私は思っている。

 問題提起なりなんなりをして、「それなりの仕組みを提案する」というレベルまでは中医協でやってもいいのではないかと思う。事務局(医療課)はどう思っているか分からないが

 具体的には別の局の会議でやるのかもしれないが、そういう問題提起をやってもいいのではないかと理解している。そういう意味で、「55年通知」の議論は優先課題として継続していきたいと思うが、それについてはよろしいだろうか?

 白川委員、どうぞ。

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 私には私の意見があるが控えておく。今後、議論することについては別に異存はない。タイミングを見て......。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 未適応薬に対して早くアクセスする方法としてこの議論がなされているが、前回、たまたま未承認薬の問題で、公知申請の話が出た。ある意味、目的は同じ話。

 それから、「全国統一の基準」という話になってくると、そういう話も多少絡みうるところもある。今後の議論としては、「55年通知」と、未承認薬検討会議での公知申請の議論とを抱き合わせながらやっていって、相互補完が制度上できるのかできないのかというところ、そういう視点で進めていく。

 それでやれば、中医協の議論になじむと思う。そんな形で進めていきたいが、それでよろしいだろうか?

 (安達委員、嘉山委員、白川委員らがうなずく)

 ありがとうございます。それでは事務局、できるだけ早く、準備を開始していただきたいと思う。佐藤医療課長、どうぞ。

 ▼ 会議終了後のブリーフィング(記者説明会)で、保険局医療課の尾崎守正課長補佐は次のように述べた。
 「私の理解では、『公知申請になるものだよね』と専門家が判断している薬があるとして、『55年通知』も専門家が判断するのであれば、『公知申請』も『55年通知』同じように専門家が判断しているのだから、両者はどのような関係に立つと考えるのが適当なのかということだと思う。こっちの会議ではこう言って、こっちの会議ではこう言ってと、同じ医薬品の安全性や有効性を見るために、バラバラな人たちがバラバラなことを言ってもどうなのか、という意味かなあと思いながら(遠藤会長の発言を)聴いた。『公知申請』になれば保険外併用療養費の対象になる。ドラッグ・ラグを解消する方法の1つとして、現在の未承認薬検討会議で『公知申請』になれば半分、保険に入るよねと。そういうルートもある。そういうルートと、『55年通知』というルートはどういう関係に立たせるのが適当なのかを含めて考えなきゃいけないんじゃないですか、という趣旨ではないかと私は受け止めた」


【目次】
 P2 → 「がん患者の命がかかっている」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P3 → 「画一的、一律的に運用されるものではない」 ─ 佐藤課長
 P4 → 「全国標準化でやることが大事」 ─ 安達委員(診療側)
 P5 → 「何が問題なのかよく分からない」 ─ 白川委員(支払側)
 P6 → 「機械的に査定される可能性が多々ある」 ─ 安達委員
 P7 → 「中医協で対応して制度設計すべき」 ─ 嘉山委員
 P8 → 「標準化が必要ではないか」 ─ 邉見委員(診療側)
 P9 → 「最先端のがん治療と一般病院は違う」 ─ 白川委員
 P10 → 「他の制度を整備しないと動かない」 ─ 嘉山委員
 P11 → 「仕組みを提案するレベルまで中医協で」 ─ 遠藤会長
 P12 → 「単独で『55年通知』ということではなく」 ─ 佐藤課長

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