「55年通知」をめぐる議論を開始 ─ 中医協(7月14日)
■ 「標準化が必要ではないか」 ─ 邉見委員
[邉見公雄委員(全国自治体病院協議会会長)]
私も国民健康保険の審査員を18年やった。そのうち16年、再審査委員も兼ねていた。近畿2府4県の委員の集まりがあるが、(基準が)バラバラ。「抗がん剤が得意な大学病院は認める」とか、いろいろ。
審査委員長が変わることによって厳しい先生もいて、「もし副作用が出たら、審査委員会にも責任がある」という厳しいことをおっしゃる。
「ちゃんと法律どおりやろう」ということで、「55年通知」なんて無視するような方もいた。だから、どこかで標準化という視点を......。
それと、健保組合はあのとおり、効能のとおりしか認めない。例えば、「3週間やって1週間休み」というところを、「1か月に2回やっているのはおかしいやないか」と。
「3週間休んだら6週間だから、1月のレセプトに2回出てくるのはおかしいんじゃないか」とか。しかし、患者さんの都合によって1週間早くすることもある。
「ちょっと体重の割に多すぎる」とか。「効いているから、ここでトドメを刺そう」と思って余計に使うと、それも......。
量の裁量権は認めてほしいと思う。主治医は「この方は小錦級です。180キロ近くあります」とか言って、また返ってくる。やはり、ちょっと標準化が必要ではないかと思っている。そういうことを保険者にも周知していただいて......。
「抗がん剤でお金儲けしよう」なんて思っている人なんていないと思う。がんの患者をどうにか救いたいと思っている。それで経営が悪くなると......。
私がいたときの院長は、「おまえは大学から来たから勝手な薬の使い方をするな」と怒られた。使いたいと思う薬は一杯あったが、院長の命令に従っていた。そういうことが現実に起こっている。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
はい。では、白川委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「がん患者の命がかかっている」 ─ 嘉山委員(診療側)
P3 → 「画一的、一律的に運用されるものではない」 ─ 佐藤課長
P4 → 「全国標準化でやることが大事」 ─ 安達委員(診療側)
P5 → 「何が問題なのかよく分からない」 ─ 白川委員(支払側)
P6 → 「機械的に査定される可能性が多々ある」 ─ 安達委員
P7 → 「中医協で対応して制度設計すべき」 ─ 嘉山委員
P8 → 「標準化が必要ではないか」 ─ 邉見委員(診療側)
P9 → 「最先端のがん治療と一般病院は違う」 ─ 白川委員
P10 → 「他の制度を整備しないと動かない」 ─ 嘉山委員
P11 → 「仕組みを提案するレベルまで中医協で」 ─ 遠藤会長
P12 → 「単独で『55年通知』ということではなく」 ─ 佐藤課長