「職員アンケート」で議論紛糾 ─ 中医協・DPC分科会
■ 「医療の質に変化があったかを調べる」 ─ 厚労省
[保険局医療課・迫井正深企画官]
あくまで、「たたき台」として項目を示している。「影響評価」の意味は、「DPC導入」も「新たな機能評価係数の導入」も同じ。
制度を今回見直して、新しく係数を入れた。遡ると、平成15年にこの(包括)支払い制度を入れた。それに伴って、医療の提供や医療の質に変化があったかどうかを調べるということだろうと思う。
「DPC導入の影響」は、嘉山委員ご指摘のように「従来の引き出しで考えろ」と。
▼ 嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)は中医協総会の委員。このDPC評価分科会の委員ではない。
「新機能評価係数の導入による影響」は、(改定の)付帯意見や、(中医協の)1号(支払)、2号(診療)側から「影響を評価すべき」という趣旨のご指摘を頂いている。
その具体的なとらえ方として、いくつかある。
我々がここで「アンケート」として想定しているのは、あくまでも、(新機能評価係数の)「項目をどう思いますか?」というよりは、例えば、「地域医療係数」の中には、ポイントの数え方の是非はあるにせよ、「DMAT」とか、「へき地診療」「がん登録」などにポイントがあるので、それらに参加する関心が高くなっている可能性があると想像している。
▼ 「地域医療係数」は、以下の①~⑦の各項目ごとに1ポイントを加算した総ポイント数(0~7ポイント)で、2010年8月から評価する。①「脳卒中」について、脳卒中を対象とする「B005-2地域連携診療計画管理料」、「B005-3地域連携診療計画退院時指導料(Ⅰ)」又は「B005-3-2地域連携診療計画退院時指導料(Ⅱ)」を算定している医療機関を評価 ②「がん」について、「B005-6がん治療連携計画策定料」または「B005-6-2がん治療連携指導料」を算定している医療機関を評価 ③「がん」について、地域がん登録への参画の有無を評価 ④「救急医療」について、医療計画上定められている二次救急医療機関であって病院群輪番制への参加施設、拠点型もしくは共同利用型の施設または救急救命センターを評価 ⑤「災害時における医療」について、DMAT(災害派遣医療チーム)指定の有無を評価 ⑥「へき地の医療」について、へき地医療拠点病院の指定または社会医療法人認可におけるへき地医療の要件を満たしていることを評価 ⑦「周産期医療」について、総合周産期母子医療センターまたは地域周産期母子医療センターの指定の有無を評価。
そうすると、あくまでも「項目をどう思うか」ではなく、今回の係数の導入で、「取り組みがしやすくなった」とか、「実際にそういうこと(への参加)を考えた」とか、そういう「ある種の行動変容がうかがえるかどうか」という意味で、それを察知する手段としてアンケートができるのではないかという、「たたき台」の中のさらに「たたき台」というぐらいの意味合いで提示した。
[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
だとすると、すごくよく分かる。「影響評価」というと、すぐ(診療報酬)点数に変えて、(経営状況が)どうのこうのということになる。
しかし、これ(アンケート)で見ることで、病院の見ている方向が少しでも変わったか、そういう影響があったかという調査をしようということ? (迫井企画官、うなずく)
そうすると、(新たに導入された6項目の機能評価係数を)1項目、1項目についてどう考えているか、どう変わったかということを(アンケートで)問い合わせて、(DPC病院)全体の流れを見ようと考えてよろしいですね? (迫井企画官、再びうなずく)
はい、分かりました。
【目次】
P2 → 「診療行動の変化をきくのは最低限できる」 ─ 厚労省
P3 → 「評価が得られなければ改善もあり得る」 ─ 池上委員
P4 → 「院長が意味を正しく理解できているか」 ─ 酒巻委員
P5 → 「医者が集まってどうかしたら変わるのか」 ─ 伊藤委員
P6 → 「職員にアンケートしても全く意味がない」 ─ 西岡会長
P7 → 「医療の質に変化があったかを調べる」 ─ 厚労省
P8 → 「看護部門や医師の疲弊も吸い取る必要がある」 ─ 相川委員
P9 → 「病院の経営者はみんな見ている」 ─ 美原委員
P10 → 「アンケートは非常に意義がある」 ─ 松田委員