「職員アンケート」で議論紛糾 ─ 中医協・DPC分科会
■ 「病院の経営者はみんな見ている」 ─ 美原委員
[美原盤委員(財団法人美原記念病院院長)]
アンケート調査で何をやるのか。僕は病院を運営する側として、今回の6つの項目については、「どのような印象を持ちますか」とか、「病院運営にどのような影響がありましたか」(というアンケート)を今、出したってみんな答えると思う。病院の運営者ならば。
それぞれ、この数か月間で、今度のことに関して自院がどうだったか、前回(改定後)とどうだったかということは、病院の経営者はみんな見ていると思う。
一方、(E・Fファイルから取れる情報など)いろいろなデータを集めてどうこうという、(DPCデータをベンチマーク的に使って他院と比較するなど)全国的なことに関して思っていない。
(印象と分析の)どちらが必要なのか。全国(のDPC病院)の中で、日本全体の中の(DPC病院の)データがどのように動いたかということを調査するのであれば、これはアンケート調査ではないかもしれない。
アンケートをして、診療の現場、診療の第一線の人たちがどのように思っているか(を調べる)ならば、今、(アンケートを)出したって、(けしからんという回答など)どのような内容になるかは分からないが、病院の経営者はすぐに分かる。
ですから、アンケート調査に何を求めているのかが今いち見えてこなかったので発言できなかったが、(現場の受け止め方を調査するという)そういうことであるならば、(調査期間が)3か月か、1か月かは関係ない。
「今回、どのような影響がありましたか」と病院長にきけば、それは出てくると思う。きちんと運営している病院長であれば。以上です。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
アンケートで問題になるのはそれなんです。各施設がどう思っているかをわざわざきいても、本当に意味あるのかと私は思う。
▼ 中小病院から良い回答は返ってこないだろうし。改定の失敗を世にさらしたくないなら、アンケートをすべきではない。
むしろ、全体の中でどうあって、それを自分たちと比較してお答えいただけるなら、そこで初めて意味がある。
▼ DPCデータがすべて公表されていれば、という前提だろうか。
点数が上がった所は「OK」で、点数が下がった所は「けしからん」というアンケートをもらうだけ。(委員ら、笑い)
それでは全く......。
[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
意味がない。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
意味がなくなると思う。私があまり言ってはいけませんが......。
▼ おっしゃるとおり。
【目次】
P2 → 「診療行動の変化をきくのは最低限できる」 ─ 厚労省
P3 → 「評価が得られなければ改善もあり得る」 ─ 池上委員
P4 → 「院長が意味を正しく理解できているか」 ─ 酒巻委員
P5 → 「医者が集まってどうかしたら変わるのか」 ─ 伊藤委員
P6 → 「職員にアンケートしても全く意味がない」 ─ 西岡会長
P7 → 「医療の質に変化があったかを調べる」 ─ 厚労省
P8 → 「看護部門や医師の疲弊も吸い取る必要がある」 ─ 相川委員
P9 → 「病院の経営者はみんな見ている」 ─ 美原委員
P10 → 「アンケートは非常に意義がある」 ─ 松田委員