村重直子の眼14 熊田梨恵・『ロハス・メディカル』論説委員(下)
熊田
「国民が医療の実情を知るということが大切ということがあるのと、政権交代しても、医療界自体が変わらなかったら、どれだけ周りが変わっても政治なり霞ヶ関が変わっても変わらないのかなという感じがするのです。医師の自律って、何って言うんですかね、スズカン先生(鈴木寛文部科学副大臣)に話を聴いて(『ロハス・メディカル』誌連載のため定期的に取材している)いて、民主党に政権交代して変わるのは、政策決定のプロセス自体が変わることだとスズカン先生が仰いました。それを聴いて、私もなるほどと思ったんだけれど、でも結局お上にお願いという姿勢は、私たち国民にしても医療界にしても存在していて変わってないと思うんです」
村重
「政策決定のプロセスは何も変わってないじゃないですか」
熊田
「政治家に意見を言ってほしいとスズカン先生が言ったら、そんな偉そうなことを言ってないで自分で聴きに来いという意見がたくさん来ていたということがあったんです」
村重
「その通り。そのために政治家は政務スタッフをもつ必要があるんです。役人もよく、役所のホームページを国民が見てないのが悪いとか、通知を出したのに見てないのが悪いとか言うのを聞きます。でもそれは霞ヶ関、永田町の自分たちの都合のよい理論なんですよ。毎日忙しく違う仕事をしている人たちが官庁のホームページを毎日チェックしているわけがないでしょう。それは奢りですよ」
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