「訪問看護の現状と課題」 ─ 秋山正子氏が中医協で意見
■ がんや難病、小児から超高齢者まで
[秋山正子・ケアーズ白十字訪問看護ステーション所長]
当ステーションの概要は次のページにあります。
現在、160名の方を1000回弱(訪問)......、延べ件数で行っています。10人以上の訪問看護師がいるステーションが全国平均で5%ですので、(当ステーションは)少し大型です。
そして、医療・介護度別の利用人数と、医療保険を利用している方の割合を述べています。
私たちは、がんや難病の方などを伺っていますが、医療に特化しているわけではないので、介護保険の方もこのように訪問させていただいております。
小児から超高齢者まで非常に幅広い対象者です。
80代の認知症の方の所に訪問しましたら、その孫嫁さんがどうも毎日病院に通っている。「どうしたのか?」とききますと、ひ孫さんが長期入院をしている。
そこで病院に働きかけて、そのお子さんが退院することができて、「ひいおばあちゃんは介護保険で」、「お子さんは医療保険で」という形でこのように訪問を続け、ひいおばあちゃんはおうちで見送ったという事例を示しています。
つまり、家族の健康問題に関わり、潜在ニーズを引き出し、適切な医療に繋げ、悪化を予防する。そして穏やかな看取りを支援するということも実際に行われているということです。
難病、精神疾患と、非常に対象が拡大しております。
介護保険による高齢者への訪問看護の提供としては、中重度の(要介護者の)所に(訪問)ということが主になってきていますが、決してそれだけではなく、医療保険の方への訪問看護も行われておりますし......。
精神疾患の方の退院促進が図られていますので、そういう方への訪問ニーズもたくさんあるという状況です。
【目次】
P2 → いのちに寄り添うケアを届けたい
P3 → がんや難病、小児から超高齢者まで
P4 → 医療保険が適用できないので自費
P5 → 訪問までの交通手段や時間に地域格差
P6 → マンパワーの確保が困難な事業所が多い
P7 → いつまでも治す医療だけでいいのか
P8 → 急性期医療が重介護状態をつくり出している
P9 → 在宅で看取りを経験をした人が在宅を選ぶ
P10 → 診療報酬上の問題がある
P11 → 訪問看護の可視化、情報発信を
P12 → 急性期病院の看護師に在宅の実習を
P13 → 看取り可能な町は訪問看護の充実から