「訪問看護の現状と課題」 ─ 秋山正子氏が中医協で意見
■ 訪問までの交通手段や時間に地域格差
[秋山正子・ケアーズ白十字訪問看護ステーション所長]
それから、回数は多くなったのに収入減ということです。
これは介護保険です。90分が少なくなり、60分、30分が多くなっています。
介護保険の給付費総額のうち、訪問看護は全体の2%と言われています。わずかな枠の中なんですけれども、それでも「使い控え」が起こっているという現状は非常に難しいかなと思っています。
訪問看護の事業所運営として、地域格差がかなり見られております。
訪問までの交通手段や時間に影響を受けます。効率良く回りたいけれども、それぞれのケアプランに位置付けられた曜日や時間に偏りが生じ、なかなか効率良く回れないという状況です。
なおかつ人材活用の面でとても難しく、それが最大の課題となっております。
固定費の捻出が難しい事業所として、6~7割ぐらいが人件費に取られます。まあ、それは当然なんですけれども......。
その他の固定費の捻出がなかなか難しく、この辺の工夫が各地域で苦労しているところではないでしょうか。
【目次】
P2 → いのちに寄り添うケアを届けたい
P3 → がんや難病、小児から超高齢者まで
P4 → 医療保険が適用できないので自費
P5 → 訪問までの交通手段や時間に地域格差
P6 → マンパワーの確保が困難な事業所が多い
P7 → いつまでも治す医療だけでいいのか
P8 → 急性期医療が重介護状態をつくり出している
P9 → 在宅で看取りを経験をした人が在宅を選ぶ
P10 → 診療報酬上の問題がある
P11 → 訪問看護の可視化、情報発信を
P12 → 急性期病院の看護師に在宅の実習を
P13 → 看取り可能な町は訪問看護の充実から