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ニュース〜医療の今がわかる

勤務医の負担軽減と患者の受診抑制

■ 「シフト等の勤務体制で軽減できるか検討」 ─ 厚労省
 

[保険局医療課・鈴木康裕課長]
 それから20番。これは恐らく、2号(診療)側の先生方は十分ご承知だと思いますけれども、通常は①の「主治医制」です。

長時間への対応_20.jpg これはどういうことかと言うと、例えば夜間等々でも、1回受けると、その先生が基本的には昼間もずっとつながれるということがあるし......。

 いったん担当になりますと、何かありますと夜間でも呼び出されるということがあります。これは少人数でも可能だというメリットがある反面、非常に呼び出しが多くなるというようなこととか、負担が多くなるというようなことがあり得るということだと思います。

 (スライド)下の「担当医制」になりますと、例えば「日曜日の担当」とか、「夜間の担当」とか、きちっと決まった上で、それを例えば平日のAという別の先生に引き渡すという形で......。これは負担の軽減という点では非常にメリットがある......。

 ということではありますけれども、例えば診療の継続性をどう担保するのか、それから十分な人員がやはり一定程度必要ではないか、というようなことが言われています。

 そういう中で、実際に......。これは、例は決して多くはないと思いますし、こういうこと自体を我々は調査する必要があると思うんですけれども......。

 ▼ 鈴木課長は色々な意味で説明が巧い。スキがない。

 実際に、例えば一定程度、「主治医制」を残しながら、もしくはかなり「担当医制」に近い形で、こういう勤務医さんの負担軽減に取り組んでおられる病院というのが、我々の知る範囲で3つぐらいございました。(中略)

 ▼ 聖マリア病院、藤沢市民病院、徳島赤十字病院。詳しくはこちらの22ページ以下を参照。

 藤沢市民病院は小児科のお医者さんが13名おりますので、やはり、かなり、1つの病院としては多いと思います。(中略)

 徳島赤十字病院もやはり小児科でございまして、これも「担当医制」に近いものだと思います。2交替勤務でやっておられます。この場合にはお医者さんが9名おりまして......。

 右側に問題点が書いておりまして、やはり「給料が少なくなる」とか、「継続的な管理をどうするか」ということとか、あと、こういうシフト制をひこうとすると「1つの科で最低7名は必要だ」ということを言っておられます。

 それから最後のスライドですけれども、これは聖マリア病院。これは産科です。これは勤務体制をご覧いただくと分かりますが、週に2日は......。

 例えば、日曜日と金曜日は完全に休めるということでございますし、それ以外にもいくつか空いているスペースがあるということで、比較的には休息が取れる、負担が軽減されるということではありますけれども......。

 勤務体制、やはり常勤が8名おられます。それから、こちらの課題は完全な交替制はなかなか難しいということで、一部「主治医制」を残しながら移行系のような形で対応しておられるということでございます。(中略)

 最終的に、(資料)文章編の「論点」でございます。

長時間連続勤務への対応策について
・ 長時間連続勤務への対応策に係る先行研究や対策を導入している医療機関の例はあるが、広く長時間連続勤務への対応策やその導入状況、具体的な形態等について調査を行うことにより、我が国の現状を把握することが必要ではないか。
・ 最も負担が重いと医師が考える業務は当直業務であり、さらに産婦人科や救急、外科等では勤務時間が長時間かつ不規則になる傾向があるが、当直明け勤務免除交替制勤務への評価についてどのように考えるか。
 ▼ 医療課が「評価」という言葉を使う場合、「新たに診療報酬を付ける」とか、「診療報酬を現在よりも引き上げる」といった意味を持つ。逆に引き下げる場合は「適正化」という言葉を使う。診療報酬改定の資料は、「評価についてどう考えるか」 → 「評価してはどうか」 → 「○○点」 → 「120点」という感じで"成長"していくが、「○○点」までたどり着かない場合もある。

 具体的に、例えば取組を始めている所があれば、それはどういう取組で、結局それに伴って、例えばお医者さんを増やさなければいけなかったのか、それともシフト等の勤務体制の問題で一部手当てができたのか......。

 というところも、やはり知る必要があろうかという風に思いますので......。これは先ほどの(検証部会の)議論とも関連しますけれども、検証部会の調査の中で、ぜひ検討させていただきたい。

 また、その上で先生方にご評価を頂きたいと思っております。事務局からは以上でございます。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、ありがとうございました。(中略)とりわけ、「長時間連続勤務への対応」という実態を明らかにすると同時に、対応策としての色々な事例をご説明されたわけですが......。

 「今後、実態をさらに明らかにしていこう」ということを検証の1つに入れたい、ということでありますが、それに関連してぜひご意見を承りたいと思います。

 鈴木委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「事務局、それでよろしいでしょうか?」 ─ 牛丸部会長
 P3 → 「中医協としてすべて承認する」 ─ 遠藤会長
 P4 → 「私に預からせていただければ」 ─ 遠藤会長
 P5 → 「最も負担が重いと感じる業務は当直」 ─ 厚労省
 P6 → 「シフト等の勤務体制で軽減できるか検討」 ─ 厚労省
 P7 → 「たくさん医師がいないとできない」 ─ 日医
 P8 → 「こんな病院、日本にあるわけないじゃないか」 ─ 嘉山委員
 P9 → 「我々も若いころは鍛えられた」 ─ 経団連

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