勤務医の負担軽減と患者の受診抑制
■ 「たくさん医師がいないとできない」 ─ 日医
[鈴木邦彦委員(日本医師会常任理事)]
まず、勤務医の待遇や処遇改善ということは引き続き進めるべきだと思っておりますが......。
▼ 以前の日本医師会なら信じられない発言。開業医の診療報酬を下げて急性期病院に重点配分する「選択と集中」の考え方に反対し、「勤務医が逃げ出すほど忙しいか疑問」などと言っていた。
まあこの......、「長時間勤務への対応の例」という病院、なんかこの病院、なんか前回の改定のヒアリングかなんかで出てきたような気がするんですけれども......、資料として出てきたような気がするんですけれども......。
▼ 厚労省は同様の資料を2009年10月30日の中医協・基本問題小委員会で示している。資料はこちら。
こういう病院というのはまあ、どれぐらいあるのかですね、私は非常に......、かなり1つの科にたくさんですね、医師がいないとできないということで限られているのではないかということが想定されますので......。
そうしますと、例えばこういうものに対して(診療報酬を引き上げる)「評価」という話も次に出てくるわけですが、その場合に極めて限られた所の評価で終わってしまうのではないかと......。
まあ、象徴的な意味はあるのかもしれませんが、実際この資料を見ますと......。(中略)やっぱり夜勤に対しては手当を出していくとかですね、あるいは固定の外来が難しくなるということが起きるようですから、そうすれば回復機能のあるような所に紹介していくようなこと......。
それから、そもそも夜間に、時間外に受診される方が......。院内にいる方はしょうがないですが、時間外に軽い方が気軽に来られるようなことがあると、ひじょーーに負担になるんですね。
ですから、この病院は時間外選定療養費というのを取っているということですが、こういうことによってですね、先生方の負担を減らすということは比較的早くできるかなと思いますので、そういった現実的な対応からまず調査して始められたらいかがかなと思っております。
▼ 病院勤務医の負担を増加させる原因の1つとして、軽症患者の時間外受診を指摘する声もある。前回改定に向けた審議で、厚労省は軽症患者から特別料金を徴収できる制度の整備を提案したが、医療事故被害者の立場で参加している勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)ら支払側が強く反対して紛糾した。最終的に決着を付けたのは診療側の嘉山孝正委員(国立がん研究センター理事長)だった。2010年1月27日の中医協総会で、次のように述べてこの議論を終わらせた。
「これは各地区でのオートノミー(裁量)でやればいいのであって、ここであえて明記することはないんじゃないか。ですから22年の改定の中に入れる必要はないと考えます」
同日の議事録はこちら。都会と地方では患者への対応が違うという意味があるのかもしれない。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
ありがとうございます。(中略)
【目次】
P2 → 「事務局、それでよろしいでしょうか?」 ─ 牛丸部会長
P3 → 「中医協としてすべて承認する」 ─ 遠藤会長
P4 → 「私に預からせていただければ」 ─ 遠藤会長
P5 → 「最も負担が重いと感じる業務は当直」 ─ 厚労省
P6 → 「シフト等の勤務体制で軽減できるか検討」 ─ 厚労省
P7 → 「たくさん医師がいないとできない」 ─ 日医
P8 → 「こんな病院、日本にあるわけないじゃないか」 ─ 嘉山委員
P9 → 「我々も若いころは鍛えられた」 ─ 経団連