「大地震でジャーナリスト、医療者はどう動いたか―被災地からのレポート」 ①
■ 水巻中正会長(国際医療福祉大学大学院教授)
[水巻中正会長(国際医療福祉大学大学院教授)]
皆さん、こんにちは。新しく会長になりました水巻中正です。よろしくお願いいたします。
今日はですね、非常にお忙しいところ、このように多くの方にこのシンポジウムに来ていただきまして本当にありがとうございました。
▼ 同会事務局によると、来場者は約120人。
まあ、今回の大震災はですね、マグニチュード9.0という未曾有の大震災に加えてですね、大津波、そしてまた原子力発電所の事故、放射線漏れとかという、文字通りのですね三重苦......。
その結果ですね、「想定外」という言葉が今、使われています。しかし、よく考えてみると、本当に「想定外」だったのでしょうか?
それとも、我々ジャーナリストがですね、想定する力を持ち得なかったのではないか、という気もいたします。
また、原子力事故については国内の報道と海外の報道との間にギャップがあることが指摘されています。それはですね、国内的に見ればですね、日本の報道というのはですね、非常に冷静沈着というかですね、そういうことが言えると思うんですが......。
被害などを、ある意味では過少評価した感もあるような気がいたします。
一方ですね、海外の論調はですね、当初から大惨事を想定してですね、大きな報道をずっと繰り返しました。ま、そういうふうに考えてみますと、果たして我々がとってきた行動がどこまで正しかったのか......。
そういう意味でですね、想定外の問題と同時に検証する必要があるのではないかと、私は個人的に思っております。
まあ今日はですね、8人の方にパネリストとして来ていただきました。皆さん、ジャーナリストですとか、実際に被災地に行かれました医療関係者の方が中心であります。
現在ですね、現時点で死者および不明者は2万8000人に上っています。また、避難なさっている方は今なお14万人に上っています。こういう状況の中で、果たしてジャーナリストとして今後どのように対応すればいいのか。
また、医療に従事なさる皆さんがですね、どのようにしてこの難局を乗り越えられるのかということをですね、今日はぜひ考えていただいて、そして意見交換していただきたいと思います。
そういう意味でシンポジウムを開きましたので、皆さんの活発な意見交換を期待しています。以上、よろしくお願いいたします。(拍手)
【目次】
P2 → 水巻中正会長(国際医療福祉大学大学院教授)
P3 → 田辺功氏(医療ジャーナリスト、元朝日新聞編集委員)
P4 → 加塩信行氏(医師、永生病院・安藤高朗氏代理)①
P5 → 同②
P6 → 柳川忠廣氏(日本歯科医師会常務理事)①
P7 → 同②
P8 → 泰川恵吾氏(医師、ドクターゴン診療所理事長)①
P9 → 同②
P10 → 石井美恵子氏(日本看護協会)①
P11 → 同②
P12 → 池谷千尋氏(看護師、キャンナス焼津代表)①
P13 → 同②