わが国の救急医療崩壊は再生可能か
■ 搬送先が速やかに決定しない場合
【島崎修次氏(財団法人日本救急医療財団理事長)】
次のページで、その法律のもとで搬送先が速やかに決定しない場合は、例えばコーディネーターシステムを導入して、その中でコーディネーターが医療機関等に連絡をとって行うとか、あるいは差し当たっての受け入れ医療機関をまず応急的に決めて、夜間が受け入れにくいということですからオーバーナイトだけでも診て、昼間、その後の治療の病院に回すとか、そういう形をとってやりなさいということがリコメンドされております。
実施基準を設けて受入医療機関の選定をきっちりして、従来の軽症、中等症、重症、一次、二次、三次というようなシステムだけじゃなしに、例えばTPAができる病院、頭だけができる脳神経科の病院だと、ほかの重症は診られないけれどもそれだけに、1つの疾患、病態に特化すると、心筋梗塞にしても脳神経疾患にしても、一つの重症を診ることができるというような病院をそれぞれ手挙げで選んで、従来型の救急の一次、二次、三次のシステムの縦糸に横糸を結びつけるような格好で医療機関を選定してやっていくというようなシステムを今後考えていく、現在考えておるところということになります。
【目次】
P2 → 重症救急の受入状況
P3 → 二次救急医療機関の受入状況
P4 → 照会11回以上事案の時間別分布
P5 → 救急受入が困難な理由
P6 → 地域の搬送・受入ルールの策定
P7 → 搬送先が速やかに決定しない場合
P8 → 二次のしわ寄せが三次の救命センターへ
P9 → 救命救急センター等の受入率
P10 → 医師の勤務時間、当直回数
P11 → 研修後に専門としたい診療科
P12 → 救急医療に必要な診療報酬上の評価