後期研修班会議1
「産科は実はまだ出せていない。小児科は何年か前に毎年700人という数字を出していた。産科の場合、現在の人数から減らないようにするには年500人必要という数字だけ出していて、でも未だかつて500人入局したことがない」
川越
「小児科学会に尋ねるべきんなんだろうが、700人がどういうところから上がってきたのか教えてほしい」
有賀
「開催要項の中に『我が国の土壌に合った』という文言が入っている。これが実は極めてキーワードで、我々救急医も救命救急センターの数からとか、研修医受け入れの数からとか、いくつか弾くことはできるのだが、しかし実際にはなかなかそうならない。私のもともとの専門である脳外科でいえば、地域では医師が普通に神経内科の領域も神経放射線の領域もリハビリもやっている。これだけカバーする範囲が多様だと、手術だけやってればいいという勘定の仕方では、地域地域で実情が違い、そうは問屋が卸さない。土壌に合ったと言っている限り現状追認にならざるを得ないので、あるべき姿を土屋先生のリーダーシップでかなり強引に持ち込んで、そのプロセスの中で理解を求めていく作業が必要になるだろう。たたき台のたたき台のようなものを作らないと国全体では進まない。これから作り会えていく分野はともかく、エスタブリッシュされた分野は多かれ少なかれ土壌の中で領域を広げている。単純に外国と同じにするのではなく、我が国の実情に合った形でなおかつある程度示す。面白いけれど難しい」
土屋
「ぜひ支えていただきたい。嘉山先生がいないから言うわけではないが、嘉山先生が言っていることは脳外科医の土壌であって、国民にとっての土壌は何か考える必要がある」
有賀
「嘉山先生が勝手に言っているということではなく、たしかに神経内科の仕事もやっている現実がある。そうなると見えてくる景色もそうならざるを得ない」
嘉山、嘉山と、場にいない人の名前が繰り返されるので、傍聴席から笑いが起きる。
- 前の記事仙谷由人代議士インタビュー2
- 次の記事官民と公私