後期研修班会議1
「まずは今までの検討会のこと。資料は一通り読ませてもらったが、個々の意見と全体の意見が取り混ぜて書いてあるような印象がある。整理していただけないか」
土屋
「8月27日に中間とりまとめ案というのが示されている。その範囲については全員の賛同が得られている。その中でこの班会議と関係が強いのは、2の医師の偏在と教育のところ。増員が大きく書いてあるが、偏在の問題も触れてあり、後期研修をコントロールできないと人数のコントロールできないということで、この班会議の設置につながっている」
(略)
海野
「土屋先生の仰るとおりなのだが、診療科間の偏在に関しては、実態がまだ共通認識になっていないと思う。減っているところは声を上げ始めているけれど、増えているところからは声は出てこない。この先どういうバランスになりそうなのか見極めながらでないと意味のある議論をできないし、若い先生が将来の専門を決める際にも時々の情報は示されているべきだと思う。
厚労省の出しているデータからだけでも、全体のトレンドとして明らかに外科系が減っている。それぞれの個別学会、耳鼻科学会でも泌尿器学会でも産婦人科学会でも内部では減って大変だという議論をしているのだけれど、集めてみるとこれは全体の問題だ。こういう中で、どれだけの専門医が必要なのかの数を出すには、現場から積み上げる形じゃないと示すのは難しい。
8000を1万2000まで増やすというのが大枠として、それをどう割り振るのか、それらしく作文することはもちろんできるけれど、それが未来の現場のニーズを吸い上げているかというと疑問だ。各学会に専門家の責任として、自分たちの診療科にどれだけの人数が必要なのか述べていただくことが必要でないか。それを積み上げたら1万2000でもとても足りなくなるだろうから、全体の中でどう折り合っていくのかというプロセスが必要だと思う」
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