誰がどう恥をかくのか 予防接種法改正
岡部信彦部会長代理(国立感染症研究所感染症情報センター長)
「私も、発生当初の対応についても現在の対応についても、申し上げたいこと反省すべきことは多々ある。しかし大騒動と総括してしまうと、じゃあ何もしなければよかったのかということになる。もう少し別のところでの議論が必要でないか」
部会長は、全員順々に指名して予定調和への回帰を図る。
山川洋一郎委員(弁護士)
「今回の大騒動というものが本当にあったのか、あったとして本当に問題だったのか、私には分からない。恐らく相当に客観的かつ国際的な比較をしたうえでの複雑な議論が必要なんだろうと思うが、この会議ではその議論はなされていない」
倉田毅委員(富山県衛生研究所長)
「今回の議論は予防接種法の見直しであって、インフルエンザだけじゃない。インフルエンザはきっかけの一つに過ぎない。ここにその総括をくっつけると、インフルエンザの問題だけが浮かび上がってしまう」
北澤京子委員(日経メディカル編集委員)
「総括をどこかでする必要はあると思う。しかし、この部会は、それを議論する場が具体的にはなかった。今までの経過からすると提言の中に入れるのは難しい」
同じメディアの人間が援護しなかったことで、黒岩委員が孤立無援になる流れはハッキリした。心中やいかに、と聞きながら思った。だが結果から見れば、その程度で弱る神経の持ち主ではなかった。
今村孝子委員(山口県健康福祉部長)
「議論がされてない。今ここで書くのは無理」
古木哲夫委員(全国町村会副会長)
「これはこれでいいんじゃないか。深く考えるについては別でやってもらえれば」
宮崎千明委員(福岡市立西部療育センター長)
「新型インフルエンザについての総括は、どこか別にやると事務局は言ったらどうか。それが、いつ、どこと明確にならないから黒岩委員の疑念が晴れない。個人的には、本当は予防接種のこれまでの総括をしてほしい」
少しだけ風向きが変わった。すかさず
黒岩
「厚生労働省に確認したい。国民は今回の騒動に振り回され騙されたと思っている。総括はしたのか、してないとするならする気はあるのか」