誰がどう恥をかくのか 予防接種法改正
山川
「結論部に緊急ミニマムに改正したい、特措法を作らなくても済むように、と書いておけばよいのでないか」
櫻井
「黒岩委員と対立するつもりはないんだが、言っている論理がよく分からない。法に不完全な部分があると理解されたら手当てするのは自然なこと。憲法論から言っても、特措法ではなく、普通の法律で対応すべき」
黒岩
「抜本改正を考えるのは正しい議論だと思う。しかし、それはこれからです、これからです、と言っておいて、なぜその本体に手を入れるのか。抜本的改正のイメージは過去にも申し上げてきたようにシンプルであるべき。それなのに今回、屋上屋を重ねるように、努力義務の他に勧奨義務なんてよく分からない分類を入れる、これは方向性としておかしいではないか。抜本改正をする際にはシンプルにするという、その方向性は全員に認識されているのか。当面と言いつつさらに複雑にするというのはおかしい。当座というなら最初から特措法でよい」
岡部
「実際の接種現場ではルールが必要だから法律が要るんだけれど、複雑なことが多すぎて現場が困っているというのはある。しかし抜本改正までを特措法でつなぐとかえって複雑になるんじゃないか」
山川
「事務局は抜本改正のスケジュールを説明してほしい」
事務局
「国会でご議論いただくことなので断定的に申し上げることは難しい。今回の改正が通れば検討に入る。少なくとも提言案の中に挙げさせていただいた6つの論点については議論させていただきたい。ただし、その議論にはある程度の時間もかかるだろう。この中の先生方にもご議論いただくけれども、それだけではなくワクチンの生産基盤整備のことならメーカーの方にも来ていただかなければならないし、接種を受ける側の国民の代表の方にも来ていただかないといけない。今この段階でまとめるのは曰く言い難いが、休んで1年後、2年後の話ということはないようにしたい。法改正の通常のルールでは3月提出なので、それを踏まえて残された課題についても議論していただきたい。今後のことを考えるとある程度時間がかかると思われるので、なるべく早くに次の議論を立ち上げたい」
鼻水が出そうになった。特措法を延長したならば、抜本改正を行うまで毎年議論しなければならなくなる、しかし法本体に『パッチを当て』ておけば、数年は改正案を出さずに済む(そのうち担当が替わる)と語るに落ちている。