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厚労省の「医師密度」案に異論噴出

■ 「ファクターを満たす実態が伴った医師密度」 ─ 厚労省
 

[保険局医療課・迫井正深企画官]
 医療課企画官でございます。一通り、いろんなご指摘を頂いております。まず、今のご質問は大事な部分ですので、5ページにまとめさせていただいております。

 当初、検討のはじめのきっかけとしては医師の密度、研修機能ということに着目して始めてまいりましたが、いみじくも分科会長がおっしゃったように、三上委員、あるいは前回の美原委員のご指摘も踏まえて、単に医師が配置してあるのを評価するのはおかしいと。

 その要因とか原因とか、ちゃんと整理すべきだということを我々としては真摯に受け止めたつもりです。それで、たった3つのDPCで......というご指摘ももちろんあるんですが、すべてのDPCで......。

 逆に言いますと、重症度がすべて反映されているのであれば別の方策で本来対応すべきであって、今回の議論はあくまで「基礎係数」というのを、個別調整をやめてグルーピングでやっぱりやっていくという方向性にせざるを得ないのではないかというのが、22年改定前後の1年間の取組みを経た、まあ、1つの認識として始まったということなんです。

 ▼ 病院の機能を個別に係数化していくのは難しいのでやめちゃったということ。企画官が途中で交替したこともあり、今までの議論をガラガラポンして、「医療機関群A、B、Cに分けちゃおう」という方向に転換した。なお、ちょっと懐かしい資料(DPC評価分科会委員の提案)はこちら

 ですから、これは伊藤委員と池上委員がかなり強くご指摘の、基本的には扇形の比例関係になっているので、「係数で評価すべきではないか」というご指摘がある中で、あえてこういうご提案をさせていただいたのは、もともとの出発点が......。

 (病院機能を診療報酬に反映させる)「機能評価係数Ⅱ」をいろいろ議論して、いろいろな指数、いろんな係数をいろいろいろいろ、いろいろいろいろ議論していただいたけれども......。(委員ら、笑い)

 ▼ いろいろな思いが詰まっている......。前任者から引き継いだ当時は「なんだこりゃ!」と思ったことだろう。

 どれも、「帯に短したすきに長し」で、結局なかなか係数化するのは難しいと。それで、最終的な調整法はこうしましょう、という話になっているというのが出発点ということを確認させていただきたいと思います。

 で、その中で最終的な、事務局の現時点でのご提案は3ページです。3ページの条件です。
具体的な要件のイメージ.JPG 研修機能は議論の出発として始まったということなんですが、最終的に事務局のご提案は研修機能も1つの、一翼を担う大事な「医師密度」の要件、ファクターですが、それだけじゃない。(中略)

 一定の要件の医師研修か、高度な技術か、あるいは重症度等、いくつかのファクターを満たす実態が伴った上での「医師密度」一定以上ということで線を引いたらどうかということです。

 逆に言いますと、こういう要件を課す以上、扇形で評価するのは難しかろうと。ま、こういう認識で最終的にこういうご提案をさせていただいたと、こういうことでございます。

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 はい、ありがとうございます。

 えーっと、どちらかと言うと今、大規模な病院の話ですけども、(地方の中小病院の立場から)金田委員、いかがでしょうか? 何か、これについてご意見ございますでしょうか。


【目次】
 P2 → 厚労省の説明
 P3 → 「医療政策上のメリットを具体的に述べて」 ─ 齊藤委員
 P4 → 「線引きを検討すること自体が問題である」 ─ 池上委員
 P5 → 「高く付けるという誘導的な資料はどうなのか」 ─ 三上委員
 P6 → 「他の視点があれば今後検討して」 ─ 嶋森委員
 P7 → 「初期研修医を医師密度に入れていいのか」 ─ 瀬戸委員
 P8 → 「5年目までの医師数が一番評価しやすい」 ─ 伊藤委員
 P9 → 「医師の獲得合戦という変な方向も」 ─ 酒巻委員
 P10 → 「ファクターを満たす実態が伴った医師密度」 ─ 厚労省
 P11 → 「重症救急の受け入れ率も非常に重要」 ─ 金田委員
 P12 → 「高度な技術は医師密度と関係ない」 ─ 美原委員
 P13 → 「地方の病院でも質の高い治療をやっている」 ─ 難波委員

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