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厚労省の「医師密度」案に異論噴出

■ 「医師の獲得合戦という変な方向も」 ─ 酒巻委員
 

[酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)]
 こうして、医師の密度という形でどこかで分類するということになりますと、免許取得後5年目というのが1つのキーワードになってしまって......。

 まあ、そういうことをする医療機関があるかどうかは別としてですよ、5年目までの医師の獲得合戦という......、(委員ら、笑い)......変な方向になりかねないということも念頭に入れた上での......という部分もやはり必要になるのではないか。

 若いお医者さんは宝物だというのは......ですけれども、うまく育てることのほうがむしろ大事なのであって、これが分類の狭間の中で入って、行ったり来たりするようなことのないような位置付けを必要とすると思います。

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 ありがとうございます。やっぱり中身を見る必要があるということですよね。(中略)

[三上裕司委員(日本医師会常任理事、東香里病院理事長)]
 大学病院だけが別だというのは分かりますし、そういう......。

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 もっと優しく言って......。(委員ら、笑い)

[三上裕司委員(日本医師会常任理事、東香里病院理事長)]
 (笑いながら)それはそれとしてですね、前回、話題になりましたけれども、美原委員からも出ましたけれども、「診療密度」(1日当たり包括範囲出来高点数)の高さをどのように評価すべきかということについては、前回結論が出なかったんですけれども......。

 これを「診療密度」で係数に反映させてはどうか、分類分けの基準にしようかということなんですが、まあ、いわゆる若い先生は必要以上に検査をしたりですね、いろんな処置をしたりすることがあると思うんですけれども、そういう密度の高さを本当に評価すべきなのかどうか。

 本当に効率的に適正な量だけの「診療密度」というか、それを評価すべきなのではないかと思うんですけれども、それはここでは統一的な考え方というのはないんですか?

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 先生のご指摘、非常に大事なところだと思うんですけれども、(資料)「D-3-1」の3ページを見ていただきますと、「具体的な要件のイメージ」というのがあって、「密度だけではないよ」というのが②の所。

 ▼ 迫井企画官がうなずく。

 一定の機能や実績......、一定以上の医師研修の実施、あるいは一定以上の高度な医療技術の実施、一定以上の重症患者に対する診療というような、恐らくこういう項目を事務局(保険局医療課)が挙げたのは、先生ご指摘のところへの回答なのかなと思うんですけれども。(中略)
具体的な要件のイメージ.JPG [熊本一朗委員(鹿児島大医療情報管理学教授)]
 そうすると、やはり医師の研修機能というのがかなり大きなポイントになってくるということ?

[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 基本的には、医師の研修機能を評価したらどうだろうかっていうところから始まっていますので、そうならざるを得ないと思いますが、事務局(保険局医療課)、これでよろしいでしょうか?
 

【目次】
 P2 → 厚労省の説明
 P3 → 「医療政策上のメリットを具体的に述べて」 ─ 齊藤委員
 P4 → 「線引きを検討すること自体が問題である」 ─ 池上委員
 P5 → 「高く付けるという誘導的な資料はどうなのか」 ─ 三上委員
 P6 → 「他の視点があれば今後検討して」 ─ 嶋森委員
 P7 → 「初期研修医を医師密度に入れていいのか」 ─ 瀬戸委員
 P8 → 「5年目までの医師数が一番評価しやすい」 ─ 伊藤委員
 P9 → 「医師の獲得合戦という変な方向も」 ─ 酒巻委員
 P10 → 「ファクターを満たす実態が伴った医師密度」 ─ 厚労省
 P11 → 「重症救急の受け入れ率も非常に重要」 ─ 金田委員
 P12 → 「高度な技術は医師密度と関係ない」 ─ 美原委員
 P13 → 「地方の病院でも質の高い治療をやっている」 ─ 難波委員

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