厚労省の「医師密度」案に異論噴出
■ 「高く付けるという誘導的な資料はどうなのか」 ─ 三上委員
[三上裕司委員(日本医師会常任理事、東香里病院理事長)]
今日は診療密度と手術難易度、それから、同一のDPC(患者の)重症度と医師密度との関係を示していただいたんですけれども、この中で唯一説得力があるのは、「手術難易度と医師密度」の問題はまあ、そうだろうなあと思いますが、それ以外の問題についてはどうかと。
特に、診療密度が高い所を係数で評価するためのグルーピングをするんだということについては、果たしてそれがいいのかどうかということが1つ問題だと思います。
また、同一DPCにおける重症度の違いを診療密度で、4つほどのデータで出されておられるんですけれども、これもまあ4つぐらいのことでですね、それも明らかな差があるわけでもないのに、それを差があるんだと、それを、係数をこちらのほうに高く付けないといかんかもしれないというような誘導的なですね、資料というのはどうなのかと思うのですけれども。(委員ら、笑い)
▼ 資料はこちら。
手術難易度については当然、「医師密度」の高い所で難しい手術はされているだろう。それは当然、DPC自体が違うわけですから、それはそれで評価をされているんじゃないかと思いますが。
▼ 「二重評価になるのではないか」とまでは言わない。
[小山信彌分科会長(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
はい、いかがでしょうか。今の三上委員のご意見、あるいは池上委員のご意見等々ありましたけれども、みなさんのご意見をお伺いしたいと思いますけれども......。
(挙手なし)
そんなことはないんじゃないか、という意見も聴きたいですね。
(嶋森委員が挙手)
はい、お願いします。
【目次】
P2 → 厚労省の説明
P3 → 「医療政策上のメリットを具体的に述べて」 ─ 齊藤委員
P4 → 「線引きを検討すること自体が問題である」 ─ 池上委員
P5 → 「高く付けるという誘導的な資料はどうなのか」 ─ 三上委員
P6 → 「他の視点があれば今後検討して」 ─ 嶋森委員
P7 → 「初期研修医を医師密度に入れていいのか」 ─ 瀬戸委員
P8 → 「5年目までの医師数が一番評価しやすい」 ─ 伊藤委員
P9 → 「医師の獲得合戦という変な方向も」 ─ 酒巻委員
P10 → 「ファクターを満たす実態が伴った医師密度」 ─ 厚労省
P11 → 「重症救急の受け入れ率も非常に重要」 ─ 金田委員
P12 → 「高度な技術は医師密度と関係ない」 ─ 美原委員
P13 → 「地方の病院でも質の高い治療をやっている」 ─ 難波委員