医師不足に関する見解
■ 地域内格差 ─ 東京都
【東京大学医科学研究所・上昌広特任教授】
ちなみに、東京都です。東京都は、このように極めて偏在の激しい地域です。
色づかい、これだけ違います。緑が全国平均を下回る200人以下、2.0以下です。東京の面積の大部分は医師数が不足しています。
この真っ赤っかになっているのは、明治年間に開発された地域。東京に関しては、大正期に震災があって、大正、戦前は、病院は建っていません。大型病院はゼロです。
戦後の復興期に、東急線の沿線、あるいは東武線、西武線の沿線に開発されます。この中央線沿線に人口が増えたのは、昭和の高度成長以降なのです。
そのような地域に病床規制がかかったため、杏林大学の周囲だけ多く、あとは青です。この地域と、この地域において、たらい回しが起こりました。冒頭のスライドです。
【目次】
P2 → 医学部定員削減の見直し
P3 → 2008年改革の要点
P4 → 東西格差という問題
P5 → 医学部の偏在
P6 → 地域内格差 ─ 愛知県
P7 → 地域内格差 ─ 徳島県
P8 → 地域内格差 ─ 茨城県
P9 → 地域内格差 ─ 千葉県
P10 → 地域内格差 ─ 東京都
P11 → 偏在に関する総括
P12 → 災害と医療 ─ 岩手県
P13 → 災害と医療 ─ 宮城県
P14 → 災害と医療 ─ 福島県
P15 → 連携・集約できない ─ 北海道
P16 → 未曾有の高齢化を迎える日本
P17 → 結語
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