福島医大型地域医療支援システム
■ 医師不足状況 ─ 地域差
【福島県立医科大学理事長兼学長・菊地臣一氏】
次に、福島県というのは戊辰戦争以来、非常に広い地域、文化の違う地域が集まっていますので、地域差が非常に極端に出ます。
これを見ると会津という奥羽山脈から日本海沿いと太平洋側で医師数が伸び悩んでおります。では、これを診療科別に見てみると、内科は会津地方といわき地方、いわき地方というのは太平洋岸の南ですが、ここが大幅に減少しております。
外科を見ると、これも南会津という尾瀬の近くですが、それと新幹線沿線の中通り、浜通り、これも太平洋岸沿いですが、全部落ちています。
小児科はどうかというと、これを見るとやはり会津と太平洋岸、つまり、新幹線の通っていない所は減少傾向が続いております。
福島県は県立大野病院事件という歴史に残る事件を起こしたところです。それはこの浜通りというところです。
これを見るとやはり浜通り、それから、会津で、あの事件をきっかけに大幅に減少して、現在、南会津という栃木県沿いのところでは産婦人科医はゼロです。
【目次】
P2 → 医師不足状況 ─ 医師数
P3 → 医師不足状況 ─ 地域差
P4 → 医療崩壊危機の現実化
P5 → 福島方式の背景にある理念
P6 → へき地医療支援システム
P7 → 支援教員制度の拡充
P8 → 支援教員制度の確立
P9 → 支援教員制度の利点
P10 → 支援教員制度の総括
P11 → 長期的な医師確保対策①
P12 → 長期的な医師確保対策②
P13 → 長期的な医師確保対策③
P14 → 長期的な医師確保対策④
P15 → 長期的な医師確保対策⑤
P16 → 長期的な医師確保対策の効果
P17 → 「只見町」から現在まで
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