福島医大型地域医療支援システム
■ 支援教員制度の利点
【福島県立医科大学理事長兼学長・菊地臣一氏】
この支援教員制度、各立場から見ると、様々な利点があります。
若手教員にとっては、まず生活が安定します。それから、社会人大学院で医学博士が取れます。同時に専門医、今非常に欲しがる専門医の研修も大学に入ってもやめないで続けられます。そして、大学に残る魅力があります。
一方、大学にとっても地域医療への貢献をアピールできます。そして、医師をプールできます。また、それによって派遣機能を強化できます。さらには診療、教育、研究機能も強化できます。ひいては将来的には医師の県内定着が促進されることが見込まれます。
一方、地域の医療機関にとってはマンパワー増強になります。そして、県から安定的に人材を供給していただけます。
これがひいては医師の県内定着促進につながります。そして、この結果、病診連携、病病連携が一挙に進みました。これは、県にとっては地域医療の充実で、知事さんにとって非常にいい話です。医師のプール及び派遣機能の強化も可能になります。
それから、県民にわかる透明な財政負担で、これは全部オープンになっています。また、派遣数、支援先も全部オープンになっています。そして、医師の県内定着促進が可能です。
つまり、今までは教育機関としての大学と医療支援組織としての大学は必ずしも融合しているとは言えず相反するところがありましたが、このような仕組みを導入することによって一体的な融合が可能になりました。
【目次】
P2 → 医師不足状況 ─ 医師数
P3 → 医師不足状況 ─ 地域差
P4 → 医療崩壊危機の現実化
P5 → 福島方式の背景にある理念
P6 → へき地医療支援システム
P7 → 支援教員制度の拡充
P8 → 支援教員制度の確立
P9 → 支援教員制度の利点
P10 → 支援教員制度の総括
P11 → 長期的な医師確保対策①
P12 → 長期的な医師確保対策②
P13 → 長期的な医師確保対策③
P14 → 長期的な医師確保対策④
P15 → 長期的な医師確保対策⑤
P16 → 長期的な医師確保対策の効果
P17 → 「只見町」から現在まで
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