福島医大型地域医療支援システム
■ 支援教員制度の拡充
【福島県立医科大学理事長兼学長・菊地臣一氏】
次に、今、崩壊の危機に立っている公的病院の支援担当教員を2006年から33名をつけていただきました。2011年からは43名になります。
この支援対策は県内の公的病院、医療法の21条に基づく公的病院ですから済生会、厚生連、日赤も入ります。月4日程度の医療協力です。
次に2007年度からは政策医療等支援教員、やたらと名前を色々つけますが、定数枠をもらうためにはこういう手も必要です。定員は20名です。
支援策としては地域医療や小児周産期、救命救急などの政策医療に関与している民間病院への派遣です。福島県は非常に特異な県で、1,000床以上の民間病院が多数ありますので、このような支援も必要です。
これも月4回程度の医療協力です。2010年からは地域医療再生支援教員制度を採用しました。
これは地域医療再生基金を活用したものです。定員は12名、支援策は県の地域医療再生計画に基づいて相双医療圏、これは太平洋側の北側、宮城県側の所です。そこの中核的医療機関へ派遣しています。これも月4回程度の医療協力です。
このような様々な支援教員システムの結果、全教員定数は8年間で138名増えました。
支援教員数は8年間で90名増え、そのほか、入学定員増等要因による教員数、さらに小児科、それから、ICU、高次救急などの政策医療によって8年間で48名増やしていただきました。
【目次】
P2 → 医師不足状況 ─ 医師数
P3 → 医師不足状況 ─ 地域差
P4 → 医療崩壊危機の現実化
P5 → 福島方式の背景にある理念
P6 → へき地医療支援システム
P7 → 支援教員制度の拡充
P8 → 支援教員制度の確立
P9 → 支援教員制度の利点
P10 → 支援教員制度の総括
P11 → 長期的な医師確保対策①
P12 → 長期的な医師確保対策②
P13 → 長期的な医師確保対策③
P14 → 長期的な医師確保対策④
P15 → 長期的な医師確保対策⑤
P16 → 長期的な医師確保対策の効果
P17 → 「只見町」から現在まで
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