新生児医療の現状と課題
■ NICUが不足している
【楠田聡氏(東京女子医大母子総合医療センター教授】
次をめくっていただきまして、ということで、NICUが本当に不足しているのかというのが昨年厚労省のほうでも緊急調査がされましたけれども、
まず最初は自治体のほうでNICUが不足しているか充足しているかというのをお聞きしたところ、22の自治体ではやはり不足しているという回答が得られました。
その下が同じく厚労省の調査なんですけれども、具体的に母体搬送、あるいは新生児搬送が受け入れられなかった場合のその原
因はどういうところにありますかというのを回答していただいた結果なんですけれども、上が新生児搬送で、受け入れられなかった理由の95.2%はNICUが満床であると。
それから、その下、母体搬送が受け入れられなかったケースの理由なんですけれども、これもやはり92.5%が、NICUが満床で受けられなかったということで、どうもやはりNICUは不足しているだろうということが分かります。
【目次】
P2 → 周産期医療とは
P3 → 救急医療からみた新生児医療
P4 → 低出生体重児の出生率
P5 → 新生児死亡率と周産期死亡率
P6 → 早産児、低出生体重児、新生児死亡率
P7 → 周産期医療ネットワーク
P8 → 平均寿命と新生児死亡率の関係
P9 → 日本の新生児医療は危機的状況
P10 → NICUが不足している
P11 → NICUが不足する理由
P12 → ハイリスク新生児の増加
P13 → 長期入院児の影響
P14 → 在宅医療が困難な状況
P15 → 稼働していない病床
P16 → NICUの必要数
P17 → 新生児病床を増床する意志
P18 → 新生児病床を拡充する上での障害
P19 → 新生児科医の勤務実態
P20 → 新生児搬送の特殊性
P21 → 小児救急との両立が困難
P22 → NICU運営のバックアップ
P23 → NICUの運営経費と診療報酬
P24 → 新生児科医の待遇改善
P25 → 新生児医療の将来の改善策
P26 → 謝辞