新生児医療の現状と課題
■ 低出生体重児の出生率
【楠田聡氏(東京女子医大母子総合医療センター教授】
まず、最初、日本の新生児医療の現状を少し御紹介させていただきます。
次のページの上の段、低出生体重児の出生率というグラフなんですけれども、御存じのように日本の出生数はその一番上ですけれども減っていると。
ただ、その中で低出生体重児の出生数、それから出生率というのは年を追うごとにふえておりまして、過去20年これをプロットしておりますけれども、ずっと上昇傾向にあると。
事実、その下の極低出生体重、中でも非常にリスクの高い小さな子どもたちの出生数の絶対数をこれはあらわしておりますけれども、1980年代に比べるともう数千人の単位でふえているということで、どうも日本では小さな子どもがふえていると、そういう状態なんです。
【目次】
P2 → 周産期医療とは
P3 → 救急医療からみた新生児医療
P4 → 低出生体重児の出生率
P5 → 新生児死亡率と周産期死亡率
P6 → 早産児、低出生体重児、新生児死亡率
P7 → 周産期医療ネットワーク
P8 → 平均寿命と新生児死亡率の関係
P9 → 日本の新生児医療は危機的状況
P10 → NICUが不足している
P11 → NICUが不足する理由
P12 → ハイリスク新生児の増加
P13 → 長期入院児の影響
P14 → 在宅医療が困難な状況
P15 → 稼働していない病床
P16 → NICUの必要数
P17 → 新生児病床を増床する意志
P18 → 新生児病床を拡充する上での障害
P19 → 新生児科医の勤務実態
P20 → 新生児搬送の特殊性
P21 → 小児救急との両立が困難
P22 → NICU運営のバックアップ
P23 → NICUの運営経費と診療報酬
P24 → 新生児科医の待遇改善
P25 → 新生児医療の将来の改善策
P26 → 謝辞