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ニュース〜医療の今がわかる

新生児医療の現状と課題

■ 早産児、低出生体重児、新生児死亡率
 

【楠田聡氏(東京女子医大母子総合医療センター教授】
 その下の、今の早産児と低出生体重児の出生率、それから新生児死亡率というのを同時にプロットしますとこういう関係にあります。

中医協ヒアリング-048.jpg

 低出生体重児はふえている。それから、早産児もふえている。

 ところが、新生児死亡率が減っているということで、我が国ではハイリスクの新生児がふえているという状況にあるわけですけれども、幸いそういう子どもたちの死亡率は減っているので、新生児医療としてはかなり進歩しているということがうかがえます。

 次を見ていただきますと、今のは我が国のデータなんですけれども、これを国際的に比較するとどうかというのが右上のスライドでして、一応OECDで、その中でも比較的医療整備が進んでおります国をプロットしておりますけれども、左の乳児死亡率、1歳未満の死亡率ですと、大体1980年から90年代にかけてこのOECDの中では一番低くなってきたと。

中医協ヒアリング-049.jpg

 その右、新生児死亡率ですけれども、乳児死亡率の2分の1は新生児死亡率ですので、新生児死亡率を見てみるとやはり同じように80年ぐらいから世界で一番低くなっているということで、我が国の乳児死亡率がよくなった多くの、あるいは最大の要因は新生児死亡率が低くなった。

 しかも、新生児死亡率、2004年のデータになりますけれども、明らかにこの右に書いてあります先進国と呼ばれる国の中でもぬきんでて新生児死亡率は低くなっているということで、大きな進歩がこれでうかがえるということになります。
 

【目次】
 P2 → 周産期医療とは
 P3 → 救急医療からみた新生児医療
 P4 → 低出生体重児の出生率
 P5 → 新生児死亡率と周産期死亡率
 P6 → 早産児、低出生体重児、新生児死亡率
 P7 → 周産期医療ネットワーク
 P8 → 平均寿命と新生児死亡率の関係
 P9 → 日本の新生児医療は危機的状況
 P10 → NICUが不足している
 P11 → NICUが不足する理由
 P12 → ハイリスク新生児の増加
 P13 → 長期入院児の影響
 P14 → 在宅医療が困難な状況
 P15 → 稼働していない病床
 P16 → NICUの必要数
 P17 → 新生児病床を増床する意志
 P18 → 新生児病床を拡充する上での障害
 P19 → 新生児科医の勤務実態
 P20 → 新生児搬送の特殊性
 P21 → 小児救急との両立が困難
 P22 → NICU運営のバックアップ
 P23 → NICUの運営経費と診療報酬
 P24 → 新生児科医の待遇改善
 P25 → 新生児医療の将来の改善策
 P26 → 謝辞

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