村重直子の眼8 内田健夫・前日本医師会常任理事
村重
「全国一律ルールで、役人がこうさせようということでお金を付けるからですよね。でも、それではどうしても現場の、患者さんのニーズには合ってない。やはり全国一律ルール自体が、多様な患者さんのニーズに応えることはできないと思うんですよね」
内田
「そう、お上が決めたルールは現場ではなかなか通用しません」
村重
「現場で決められるようにすれば、患者さんのニーズに合わせて、地域のニーズに合わせて現場の先生方が対応してくださってると思うんですけれど」
内田
「そういう所を評価するというのでないと士気にも関わりますからね。私が日医の役員をやっていて思ったのは多様な地域があるわけで、日医の役割というのは、むしろ都道府県とか郡市の先生たちからの現場の意見なり対応なりやっていることなりを情報収集して、それを整理して皆さんに提供するということではないのかな、と。日医にしか果たせないことだと思います。何かあった時の大規模調査というのを日医は得意にしてますから。16万人の会員がいて10万の医療機関があって、その情報を、例えば30%の回答率でも、かなりの精度になります。情報収集をきちんとやって精査して提示するというのを、本当は日医がやるべきでしょうね。それから、そういうものを提示した後の政策の提言もありますけれど、政策提言は、それぞれの現場で専門にやっているような人を入れて、その意見を生かすようなものじゃないと」