医療システムと必要医師数
文部科学省の「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」で、同院の河野陽一病院長が医師不足への対策について意見を述べた(出典:2月18日に開催された同検討会第3回の資料、および議事録)。
【安西祐一郎座長(慶應義塾学事顧問)】
ただいまから、今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会、第3回になりますけれども、開催させていただきます。(中略) 今日は、前回に引き続きまして、まず有識者の方からヒアリングを行わせていただきます。(中略)
それでは、3番目のヒアリングに移らせていただきます。千葉大学医学部附属病院の河野陽一病院長から、ご意見を伺わせていただきます。やはり20分程度でお願い申し上げます。
【河野陽一氏(千葉大学医学部附属病院長)】
千葉大学附属病院長の河野でございます。このような非常に重要な検討会での発言の機会をいただき、ありがとうございます。
ただいまのお話の中で北海道での医師不足の話が出ておりましたが、私の知り合いにも、千葉から金曜日に行って土日働いて日曜日に帰ってくるというのが1人おりますので、千葉県も医師がいないのに、北海道に少し貢献しているかなと思っております。
必要医師数というのは、医療システムとか、目指す医療レベルによって当然変わってくるわけですので、医療システムと必要医師数ということで話をさせていただきますが、現在、医療需要の増大というのは、人口構成の変化、いわゆる高齢化というのが一つの大きな要因でございますので、そこから話を始めさせていただきます。
【目次】
P2 → 高齢化率
P3 → 高齢者数の増加
P4 → 医療圏による患者数推移の相違
P5 → わが国の医師数の動き
P6 → 医療問題は誰の責任か?
P7 → 医師数と医療システム
P8 → 病院での死亡者数の増加
P9 → 在宅医療推進の目的
P10 → 在宅死率30%の効果
P11 → 疾病コントロールによる効果
P12 → 循環型医療と医療情報の共有
P13 → チーム医療からIPW
P14 → 国立大学附属病院の役割と機能
P15 → 医療需要増加に対する対策