医療システムと必要医師数
■ 在宅医療推進の目的
【千葉大学医学部附属病院長】
在宅医療推進の目的でございますけれども、これは医師の負担の軽減ということが在宅医療の目的ではございませんで、患者の方の社会生活を維持していくことです。
皆さんに体の調子が悪くなったときにどこに行ってケアを受けたいかという質問をいたしますと、病院に入院したいというふうに答える方というのは10%にも満たない、7-8%なんですね。当然と思いますが、できるだけ自宅にいたいというのがほとんどの方の希望です。
ですから、在宅というのは、生きる目的(生きがい)の維持、社会生活の維持によるADLの維持ということになります。
ただ、これを本日のテーマであります医療負担ということで考えますと、いわゆる療養型の病院において医師1人が診れるというのは大体25人から30人ぐらい。
ところが、在宅専任医師が診ているという数になりますと、がんの患者さんと非がんの患者さんで違ってまいりますが、100人から150人ぐらいは診ることができるということになります。
【目次】
P2 → 高齢化率
P3 → 高齢者数の増加
P4 → 医療圏による患者数推移の相違
P5 → わが国の医師数の動き
P6 → 医療問題は誰の責任か?
P7 → 医師数と医療システム
P8 → 病院での死亡者数の増加
P9 → 在宅医療推進の目的
P10 → 在宅死率30%の効果
P11 → 疾病コントロールによる効果
P12 → 循環型医療と医療情報の共有
P13 → チーム医療からIPW
P14 → 国立大学附属病院の役割と機能
P15 → 医療需要増加に対する対策