明細書の無料発行義務化について
来年度の診療報酬改定に向け、厚生労働省は10月12日の中央社会保険医療協議会で、「外来管理加算」「地域医療貢献加算」「明細書発行」を主な議題とした。
一見、不揃いに見える3つの議題、厚労省の説明では「外来医療の各論1回目」ということだが、別の見方をすればスッキリ説明できる。すなわち、これらはすべて「医療機関の義務」に関する点で共通している。
「外来管理加算」は患者に対する懇切丁寧な説明、「地域医療貢献加算」は診療所の休日・夜間対応、「明細書」は患者への情報開示に関わる。次期改定に向けた各論一発目は、「医療機関は努力しなさい」という厚労省の暗黙のメッセージで始まったと言えよう。
患者の権利を持ち出せば、医療機関の義務を説明しやすい。しかし、医療分野は主に厚労省が所管して規制しているのだから、厚労省の責任について議論されてもいいと思うが、そんな気配はサラサラない。「医療機関は努力しろ」「患者も我慢しろ」という方向で今後の医療政策は突き進んでいくのだろう。
明細書発行に関する厚労省の説明は以下の通り。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
次に、「明細書の無料発行義務化について」を議題としたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、これについてご報告をお願いいたします。どうぞ。
▼ この日の議題、資料はこちら。
[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]
保険医療企画調査室長でございます。資料は「総─2」でございます。「明細書の無料発行義務化について」をご説明をさせていただきたいと思います。
また、一番最後のページにまとめて、「論点」というふうにまとめておりますので、また後のほうでご説明を差し上げます。
【目次】
P2 → 経緯
P3 → 「正当な理由」
P4 → 費用徴収
P5 → 発行状況
P6 → 意向確認等
P7 → 患者調査の結果
P8 → 9月7日の議論
P9 → 論点