明細書の無料発行義務化について
■ 論点
[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]
最後の23ページ目ですが、論点でございます。
3つに分けてございますが、1点目は明細書の無料発行義務化のルール、あるいは制度的な位置付けに関連するものでございますが、「正当な理由」に該当する場合の実費徴収の件。
徴収額が大きい場合、明細書発行の患者さんの希望に影響を与えるのではないか。これをどのように考えるのかということ。あと、現在、無料発行の義務の対象外となる「正当な理由」の内容をどのように......、確認が必要かどうかといった点でございます。
2点目が、実際に無料発行の制度を運用する上で出てまいります観点ということでございます。
例の1つ目として、無料発行が義務となっております医療機関に関します事項としまして、「診療内容が変わって発行の有無を改めて聞くことなく発行を行わないケース」があるとしたときに、どう考えるかということ。
また、その一方で、患者さんからは同一内容のために明細書は不要とされるケースもありますことから、柔軟に取り扱ってかまわないということの明確化をする必要があるかどうか。
あとは例の2つ目としまして、無料発行が義務となっていなくて希望者にのみに発行している医療機関に関する事項としましては、明細書の発行に関して申込書に記載を求めているといった点は影響があるのではないかといった点。
これらにつきましては、「運用に関わる面として工夫ができないかどうか」といった観点からの検討が必要と考えております。
3つ目で、「その他」でございますが、これは明細書発行の意味に関連すると思いますが、「明細書の内容が分からない」、「毎回同一である」といった理由により不要と考える患者も一定数あるということでございますので、明細書発行の意義等の周知方法をどのように考えるか......
といった点につきまして、ご検討いただければなというふうに考えております。以上、明細書の無料発行義務化についてのご説明でございます。
[森田朗会長(東京大大学院法学政治学研究科教授)]
はい、どうもありがとうございました。(以下略)
▼ 厚労省にとって最も効果的な「分断作戦」は言うまでもなく、医療者と患者を対立させること。これは、政策ミスの責任を転嫁する上で欠かせない。この日の中医協では、「地域医療貢献加算」の議論で医師会系委員と病院団体が対立、「明細書」の議論でも同様の場面があった。前回改定時よりも、「分断」はさらに進んでいる。
【目次】
P2 → 経緯
P3 → 「正当な理由」
P4 → 費用徴収
P5 → 発行状況
P6 → 意向確認等
P7 → 患者調査の結果
P8 → 9月7日の議論
P9 → 論点