医療事故調検討会17
山口
「今いちばんの問題は、報告書ができるのに10ヵ月かかること。田浦参考人から話があtったように、1人の評価医が段ボール2箱の資料をもらって、全部読んで報告書を書くということを、専任ではなくて片手間でやっているということに原因がある。
院内の調査委員会でも、起こった事例の事実経過をまとめるのは担当の医師ではなくて、安全管理者の看護師レベルでまとめることができている。調整看護師の業務の中にそういうことも入れると、たぶん、そういう作業は素早く全部終えることができる。任の医師がいれば、専門領域のディスカッションは専門医に参加してもらうにしても、経過のまとめは十分できる。そういうことを専任のスタッフが全部やって、コアのディスカッションだけに時間を集中すれば、おそらく3分の1ぐらいに短縮することは十分可能だろうと思う。
簡便化というのは、1人の評価医に負担がかかっているようなことを改めて、本当のディスカッションをする時間をつくり出すという意味。評価医が毎回替わるというようなところを、専任の慣れた医師が基本的なところをやる、そういう医師は研修を受け、全国統一的な視点を確保する。簡便化が必ずしも不利益ではなくて、効率化と言ったほうがいいのかもしれない」
松本
「山口委員の言うとおり、問題となるのは、ある程度、亡くなったところに集約されると思う。だからそれ以外の、例えば事実経過のところは、できるだけ別の人がまとめた方が時間的なロスはなくなる。ご懸念は、簡便化した部分に、もしかしたら何かが潜んでいるかも分からないという点であろう。そこはトレーニングを積んだできれば医師が見ていくような形をとることで、100%とは言えないにしても、それをレビューする医師がいてという形を取れば、スピーディーさも出て、それから十分なディスカッションもできるのではないかと思う」
奥村
「まず、委員会のメンバーを固定すれば、それなりの質を保つ議論ができるし、省力化にもなっていくと思う。今のように、事例ごとに、臨床評価医とか解剖医がどんどん替わってしまうと、ある程度のレベルに到達するまでに、議論に随分時間がかかってしまう。そこに随分エネルギーを費やしてしまっている。そこの省力化が重要ではないか。別にクォリティーを落とすということもないのではないかと個人的には考えている。
大きなセンター病院や大学の附属病院では、かなり手馴れた事故調査委員会があるので、むしろそちらでしっかりやってもらって、モデル事業がそこに入っていくのも1つのやり方ではないか」
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