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ニュース〜医療の今がわかる

医療事故調検討会17


続いて、札幌地域代表の松本参考人(札幌医大法医学教授)
「受付をした段階で最も苦労するのは、臨床の立会医の先生方を確保すること。モデル事業というのは、ボランティア精神というか、医療従事者が本業を持っている中でこれをやっていくところがある。臨床の専門医の先生方は通常の勤務に就いている、外科系の先生の場合はオペに入っていることも多い。そうすると、どうしても律速段階になり、夕方あるいは場合によっては翌日になってしまう。そうすると、遺族の方々の思いに、時間的なところで少し応えられないところがあったりします。そんなにかかるのだったら解剖は結構です、という遺族がいたこともあった。
 真摯に医療の状況、不幸にして亡くなられた方を今後とも出さないという一念で参加していただいているが、どうしても時間的になかなか厳しい。札幌の場合には土・日にもメールをやり取りしている。地域評価委員会を開く場合も全員の日程を合わせるのがなかなか難しい。メールでやり取りしているけれども、やはり会ってディスカッションしないとなかなか決まらない点がある。そういうことで苦労している。
 札幌地域では、最先端の病院で起こってしまったケースもある。また第一線の地域医療をされている病院で起こってしまったケースもある。そうしたときに、何が標準的な医療なのかというところで、第一線の先生方から、本当の第一線の標準的な医療を評価できるのかという意見をいただいたこともある。今後は、そういう地域の現状に応じた評価システムを考えなければいけないのかと思っている。
 札幌地域では、いままでに7事例受け付けて、遺族と医療機関に説明が終わったのは2事例。その2事例のときに、本当にやってよかったと思って救われた気持がしたのは、遺族の家族の方々から、「本当にありがとうございました」という一言をいただいた。いろいろ苦労はしたけれどもやってよかったと思った。
 遺族からのいろいろな思いにもなんとか応えていけるようにしていければと思う。いま評価している中には、実際に客観的資料に基づけないケース、例えば遺族の思いが臨床録・診療録といった客観的な資料に基づかないケースということもある。
 モデル事業では、調査権などはありませんので、あくまで善意で医療機関から提出していただく資料に基づいて評価をする。ヒアリングしたりするが、込み入ったところまで確認ができない。司法解剖の場合には司法機関が入ってきて、供述調書という形であったり、客観的な資料がいっぱい出てくるが、モデル事業の場合はそういうことはないので、そういう調査に入って調べることも必要と感じている。
 説明会が終わったあと、必死になって考えた再発防止策を当該医療機関が今後に活かしているのかどうかということも、いまのところ報告書を出して説明をして、それで終わり。これは今後も検証していかなければならない」
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