現行医療計画の問題点について
■ 運転時間30分での転送可能領域
【河原和夫・東京医科歯科大学大学院教授】
24頁以降は、いまあるデータでどのくらい分析できるかということですが、地震のときにどうなるか。
例えばトリアージ研修を増やすとか、そういう記載は見られますが、現実問題を考えたときに、首都直下型地震が起こったときに、数万人が救急の依頼をすると思いますが、東京消防庁の救急車は230台しかないわけです。
どのように配分していくかというのも、医療計画の問題だと思います。
これを見ても、環7沿いの南北の連絡が悪い形になりますが、さらに、どの地区で15分以内に搬送できるかということも、既存の資料を詳しく分析すれば出てくるわけです。
世田谷区を見れば9.45%で、これは23区でも悪いところですが、これは道路が狭いと。246号線と駒沢通りぐらいしかないという都市計画の問題があるのです。だから、ほかの計画とのリンクも重要になってくると思います。
【目次】
P2 → 医療計画制度の目的等
P3 → 医療計画とその評価
P4 → 医療機能情報提供制度
P5 → 病床規制
P6 → 東京都のがん医療体制
P7 → 23区の救急施設全体でのカバー範囲等
P8 → A区の三次救急施設へのアクセス時間
P9 → 搬送に60分以上要する人口
P10 → 療養病床の調査
P11 → 山形県でのアクセス時間分析
P12 → 救命救急センターの最適エリア界
P13 → 献血者の動向、地理的分布
P14 → 周産期母子医療センターへのアクセス時間
P15 → 死者と重傷者の分布
P16 → 運転時間30分での転送可能領域
P17 → 医療計画の中の精神医療の位置づけ
P18 → 主たる医療職種の入学定員(平21)
P19 → 計画と評価の構造(行政計画)
P20 → 事業計画、実施計画の必要性
P21 → ある県の医療計画の目標
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