現行医療計画の問題点について
■ 主たる医療職種の入学定員(平21)
【河原和夫・東京医科歯科大学大学院教授】
26頁の下に「医療職種の入学定員」とありますが、看護師に関しては、これは「国民衛生の動向」から私が計算したので、6万6,000人となっていますが、5万6,000人と言う方もいます。
それは別にして、薬剤師は薬学部の定員を書いていますが、いまは薬学部は全員が薬剤師にはなりませんが、この4つの職種で9万人ぐらいいるわけです。
医療、介護を運用していくために、いまの体制を維持するとしたら、何十万人が必要なわけです。出生数を考えれば、いまで107万人で、人口問題研究所の最悪のシナリオでは、2030年に54万人ぐらいになるわけです。
当然、生まれてくる数人に1人が医療にいかないといけない。そんな馬鹿な算定になってしまうわけで、もう1回定員の問題を見直す必要があると思うのです。
ですから、医療計画の中で定員の確保ということはたくさん出てきますが、現実的にこれを見ても、子どもが少ない状況で、いまの定員すら確保できない状況です。ですから、集約するとか、いろいろと効率性、生産性を上げていく方策が必要だと思います。
【目次】
P2 → 医療計画制度の目的等
P3 → 医療計画とその評価
P4 → 医療機能情報提供制度
P5 → 病床規制
P6 → 東京都のがん医療体制
P7 → 23区の救急施設全体でのカバー範囲等
P8 → A区の三次救急施設へのアクセス時間
P9 → 搬送に60分以上要する人口
P10 → 療養病床の調査
P11 → 山形県でのアクセス時間分析
P12 → 救命救急センターの最適エリア界
P13 → 献血者の動向、地理的分布
P14 → 周産期母子医療センターへのアクセス時間
P15 → 死者と重傷者の分布
P16 → 運転時間30分での転送可能領域
P17 → 医療計画の中の精神医療の位置づけ
P18 → 主たる医療職種の入学定員(平21)
P19 → 計画と評価の構造(行政計画)
P20 → 事業計画、実施計画の必要性
P21 → ある県の医療計画の目標
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